学会誌・出版物
情報通信学会論文賞
学会誌に掲載された論文の中から、その年度、最も優秀な論文に対し、優秀賞及び佳作が選考され、賞が贈られます。例年、6月の学会大会総会において表彰式が行われます。
2023年度論文賞受賞候補論文の推薦募集
論論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。次の要領で論文賞候補論文の推薦を募集します。
論文賞受賞者には2024年度春季(第50回)情報通信学会大会の総会において表彰状が授与されます。また、情報通信学会誌第42巻2号(第151号)で論文賞受賞者の報告を行います。
■推薦要領
(1) 選考の対象となる論文 (計2編)
※論文は情報通信学会誌及びJ-stageに掲載されております。
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巻数・号数 論文タイトル(著者名) 第41巻1号(146号) プライバシー説明の表示方法がアプリ利用者の理解度及び利用意向に与える影響の実証分析
(大磯一、依田高典、黒田敏史)
第41巻3号(148号) アジア諸国における周波数割当政策と移動体通信事業者の効率性分析
(近藤勝則)
(2) 推薦数
・役員、委員会委員、研究会主査・幹事 :2編まで
・正会員 ※上記会員を除く :1編
(3) 推薦募集締切 2024年4月30日(火)必着
(4) 推薦方法
「論文賞候補文推薦書」をダウンロードし、所定の事項を記載して、メールで学会事務局へ送付ください。
送付先:(公財)情報通信学会事務局 e-mail :
office@jsicr.jp
2023年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。2023年度 論文賞受賞者は優秀賞1名、佳作1名となりました。2024年6月29日に開催された第50回学会大会総会において表彰されました。
■優秀賞(1編)
巻数・号数 | 論文タイトル(著者名) |
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第41巻1号(146号) | プライバシー説明の表示方法がアプリ利用者の理解度及び利用意向に与える影響の実証分析 (大磯一、依田高典、黒田敏史) |
■佳作(1編)
巻数・号数 | 論文タイトル(著者名) |
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第41巻3号(148号) | |
アジア諸国における周波数割当政策と移動体通信事業者の効率性分析 (近藤勝則) |
2022年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。2022年度 論文賞受賞者は優秀賞1名となりました。2023年7月8日に開催された第48回学会大会総会において表彰され、後日表彰状と副賞が授与されました。
■優秀賞(1編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第40巻4号(145号) News on Fake News: The Framing of Fake News in Japanese Newspapers, 2016-2021
John W. Cheng (津田塾大学)【授賞理由】
本論文は、現代的な問題意識のもと、関連するデータを丹念に収集し、近年社会科学分野で注目されているテキスト解析の手法を取り入れ信頼性の高い分析を行った、優れた論文である。また、研究対象についても、本学会における重要な論題の一つであり、本論文で得られた成果は今後の本学会の研究活動に資するものであると評価できる。
2021年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。2020年度 論文賞受賞者は佳作2名となりました。2022年6月25日に開催された第46回学会大会総会において表彰されました。後日表彰状と副賞が授与されます。
■優秀賞(2編)
巻数・号数 | 論文タイトル(著者名) |
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第39巻2号(139号) |
個人情報保護利活用仲介機構の構想 【受賞理由】 個人情報の保護と利活用に関し新たな制度の提案をしており、実証的な見地から議論をする意欲的な研究であると評価できる。社会的課題の解決に向けた実装方法の新たな提案は、活発な議論を喚起するきっかけにもなり得ることから、優秀賞に該当する論文と評価した。 |
第39巻3号(140号) | 個人のプライバシー意識等とデジタルサービス利用に関する実証分析 (大磯一、依田高典、黒田敏史) 【受賞理由】 デジタルサービス利用における阻害要因としてのプライバシー侵害懸念について、サービス別の特性を明らかにしており、社会的意義が大きく、分析結果の政策的応用も期待できる。論文としての完成度も高く、優秀賞に該当する論文と評価した。 |
■佳作(1編)
巻数・号数 | 論文タイトル(著者名) |
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第39巻2号(139号) |
未成年者のSNS
でのネットリスク低減策に対する社会負担可能性の実証分析 【受賞理由】 評価の難しい社会的課題について限界を認めつつ定量的に把握しようという試みを評価する。また、社会的意義・有用性が高い分析結果となっており、AIを活用したアプリ開発の後押しともなると考えられることから、佳作に該当する論文と評価した。 |
2020年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。2020年度 論文賞受賞者は佳作2名となりました。2021年6月26日に開催された第44回学会大会総会において表彰され、後日表彰状と副賞が授与されました。
■佳作(2編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第38巻1号(134号) 「子どもの個人情報の処理にかかる「同意」のあり方」
松前恵環(駒澤大学)【授賞理由】
子供からの個人情報の取得にあたって本人同意を取得する必要性について、その重要性が認識されている。同意の取得のあり方について諸外国の動向を調査し現状を丹念に整理し、現時点における問題点を明らかにした論文として秀逸な論文である。
第38巻3号(136号) 「違法ダウンロードに対する量刑判断――「万引き」との比較から――」
松木祐馬(早稲田大学大学院)、西川開(筑波大学大学院)、向井智哉(東京大学大学院)
【授賞理由】
近年、法律・経済・社会等あらゆる分野から関心を集めている「違法ダウンロード」について、一般市民が評価する量刑判断が「万引き」とどのように異なるか、高度な実証分析で明らかにしています。独創的で有意義な研究成果というだけでなく、未だ実証研究が少ない国内の「法と経済学」分野の発展に寄与する論文と考え、佳作に該当する論文と評価しました。
2019年度論文賞
2019年度論文賞は残念ながら該当なしとなりました。
平成29年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。平成29年度
論文賞受賞者は佳作3名となりました。受賞者には、平成30年6月30日に開催された第38回学会大会の総会において表彰状と副賞が授与されました。
■佳作(3編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第35巻2号
(123号)「スマートフォンゲーム市場の成熟化による製品普及過程の変化」
勝又壮太郎(大阪大学)、一小路武安(東洋大学)、リュ・ボスル(大阪大学)
【授賞理由】
表彰理由:丹念なデータセットの整備と適切な仮説および分析手法を用いて、今後のスマートフォン市場における新製品開発の在り方に関する有益な示唆を見出している。また、時宜にも叶った論文であるため、佳作に該当する論文と評価した。
第35巻3号
(124号)「コンテンツ産業におけるフリー型ビジネスモデルの有効性―音楽産業の実証分析―」
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)
【授賞理由】
現在、課金制度について問題化しているフリー型ビジネスモデルの有効性を音楽産業において、しっかりした手法で実証分析を試みており、コンテンツ産業における企業戦略を考察するにあたり、有益な示唆を与えるものであり、時宜を得た論文でもあるため、佳作に該当する論文と評価した。
第35巻3号
(124号)「人工知能に対する法人格の付与」
斉藤邦史(慶應義塾大学)
【授賞理由】
人工知能を用いたサービスが今後導入されていくであろう中で、人工知能の法人格付与については、海外で先行研究があるものの日本国内ではまだ少なく、テーマの新規性が高い。また、論文の完成度もそれなりに高いことから、佳作に該当する論文と評価した。
平成28年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。平成28年度
論文賞受賞者は佳作2名となりました。受賞者には、平成29年6月23日に開催された第36回学会大会の総会において表彰状と副賞が授与されました。
※情報通信学会誌第35巻2号(第123号)においても論文賞受賞者の報告を行いました。
■佳作(2編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第34巻3号
(120号)フリーミアムにおける支払金額と長期売上高の関係
―モバイルゲーム産業の実証分析―
山口 真一、坂口 洋英、彌永 浩太郎、田中 辰雄【授賞理由】
モバイルゲームのビジネス・モデルの有効性をフリーミアムにおける支払金額と長期売上高の関係から明らかにし、また、モバイルゲームが喚起する様々な社会的問題(浪費性、耽溺性など)への解決策を示唆するなど、佳作に該当する論文と審査した。
第34巻3号
(120号)パーソナライズド・サービスに対する消費者選好に関する研究
プライバシー懸念の多様性に着目した実証分析
高崎 晴夫
【授賞理由】
ネット上で展開される多様なサービスはそれぞれの利用者に合わせて提供されるようになってきたが、利用者はパーソナライズ・サービスを受けるためにプライバシーを提供しなければならない。プライバシーを提供することをどう受容するかについて調査し、利用者の潜在的不安などについて新たな知見を得た点は、分析上の仮題が残るが評価される。
平成27年度論文賞受賞論文
論文賞は学会誌に掲載された投稿論文の中から、特に優秀な論文を選び、その著者に贈呈する賞です。平成27年度
論文賞受賞者は優秀賞2名、佳作1名となりました。受賞者には、平成28年6月25日に開催された第34回学会大会の総会において表彰状と副賞が授与されました。
※情報通信学会誌第34巻2号(第119号)においても論文賞受賞者の報告を行いました。
■優秀賞(2編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第33巻1号
(114号)OTT音声通話サービスをめぐる参入障壁の分析:日本市場の例
実積 寿也(九州大学)【授賞理由】
本論文は、通信インフラを他者に依存してサービス展開を進めているOTT事業者に関する分析であり、音声通話サービス市場におけるOTT事業者の苦境の原因を経験財としての特質に求め、アンケートデータを用いて参入障壁の高さについて実証的研究を行ったものである。参入障壁が経験財としての特質に起因することを論じ、それに対処するための具体的な支援方策に期待される効果を定量的に評価している点は産業政策および競争政策の面からも極めて興味深い。本論文は、新規性・論理性の面で優れており、政策的インプリケーションも大きく、本学会の優秀賞に値する。
第33巻4号
(117号)人口減少社会に調和する放送制度のあり方-民放構造規制を中心に
橋本 純次(東北大学大学院情報科学研究科後期博士課程)【授賞理由】
経済の東京一極集中化の是正を意図した地方分権化という政治的課題に対し、市民の知る権利を充足し社会への市民参画を促進する要となるのが、地域情報の供給であり、その責務を負う地元民放局の持続的経営の確保である。この課題に対し、人口減少を起因とする地域経済の縮減と言う現況の中で、キー局を中心に全国一律的に導入されてきた放送制度を地方民放の側から見直すという着想に、本論文の独自性がある。筆者は、現行制度のあり方に批判的に分析を加え、さらに限定的とはいえ東北地方の民放局へのアンケート調査から、地方民放が直面している問題を明らかにした。その上で、地域の実情に応じた、かつ地方民放の自立性を尊重した制度改革について具体的な提言を行っている。本学会の趣旨に適ったテーマであり、若手研究者の優れた論文として優秀賞に値する。
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- ■佳作(1編)
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巻数・号数 論文タイトル・筆者名(所属) 第33巻4号
(117号)-OECD 34ヶ国での分析-
篠原聡兵衛(東京大学先端科学研究センター博士課程/KDDI総研)
森川博之(東京大学)
辻正次(兵庫県立大学)【授賞理由】
モバイル・ブロードバンドを語るうえで欠くことのできないスマートフォンをテーマに挙げ、国際比較をした分析は時宜を得ている。分析手法は執筆者が以前に投稿した論文と基本的に同じであるが、対象サンプル(対象国)が大幅に増加した。そして、iPhoneに代表されるスマートフォンの導入以降、市場競争が激しいHHIが低い国ほど早期にモバイル・ブロードバンドが普及したとの政策的な結論を得ている。OECD34か国を概観できる統計分析には価値があり、佳作として表彰する。
論文受賞
- 2015/06/20
- 第16回情報通信学会論文賞 佳作 4編 児玉晴男氏、John William CHENG氏・Stefan Yonggyun JEON氏・大塚時雄氏・三友仁志氏、斉藤邦史氏、篠原総兵衛氏・森川博之氏・辻正次氏
- 2014/05/26
- 第15回情報通信学会論文賞は残念ながら該当なしとなりました。
- 2012/06/23
- 第13回情報通信学会論文賞 優秀賞 浅井澄子氏、佳作 小寺敦之氏