活動状況

地域メディア研究会
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2013年度 第1回地域メディア研究会 (学会大会)

日 時 : 

2013年6月23日(日)15:15〜17:15

場 所 : 

東洋大学 6号館 6207教室

テーマ : 

地域メディア・システムとしての日中韓の放送系ネットワークに関する比較分析
―地上テレビ放送、ケーブルテレビ間のハード・ソフト関係を中心に―

概 要 : 

本研究会は、過去の学会大会において大手MSO、独立系民間事業者、自治体等が提供するケーブル・コミュニティ・サービスを巡るパネル討論や、総務省情報 通信政策研究所と共同で実施した地域情報の利用動向を巡る全国ウェブ・アンケートの調査結果等の研究報告を行ってきた。本年はこれらの研究成果を踏まえ、 日本に加えて近隣の中国、韓国の放送系ネットワークを対象に、その制度的な特徴や提供されるサービスの現状、抱える課題等を比較検討することで、各国の放 送系ネットワークにおける地域メディアとしての機能や役割の差異をシステム的な観点から捉えることを目指す。
(1)地域メディアの観点からの中国における放送系ネットワークの現状(趙  敬)
情報化とデジタル化が進む中、中国の放送メディアが大きく変化してきている。省と市のケーブルテレビ事業者は従来、伝送インフラという役割だったが、現在 ネットワークの双方向化を積極的に推進し、ネットワークの統合再編を通して規模を拡大し、VODやタイムシフト、広告事業など様々なサービスを提供してい る。各地域のケーブルテレビ事業者は放送メディアの主力となってきている。
(2)地域メディアの観点からの韓国における放送系ネットワークの現状(金 泳徳)
まず、韓国の放送メディアに対する制度と市場の特徴を日本との比較で概観する。また、産業的データと法制度・政策的側面から地上テレビ放送とケーブルテレ ビの現状を明らかにしたい。そのうえ、地域メディアとして韓国のケーブルテレビが抱えている様々な課題をまとめたい。
(3)地域メディアの観点からの日本における放送系ネットワークの現状(高田義久)
日本では、多メディア・多チャンネル化が進展する中で、地域メディアとしてのケーブルテレビが注目されてきた。2000年代には、インターネットのブロー ドバンド化、地上テレビ放送のデジタル化によって、ケーブルテレビの役割もより多様化することとなったことから、ケーブルテレビに着目して、その現状と課 題を報告する。

報告者 : 

(1)報告者
・趙  敬 (中国伝媒大学)
・金 泳徳 (韓国コンテンツ振興院)
・高田義久 (慶應義塾大学)
(2)コメンテータ
・菅谷 実 (慶應義塾大学)
(3)司会
・上原伸元 (東京国際大学)

2012年度 第3回地域メディア研究会

日 時 : 

9月19日(水)17:00~18:30

場 所 : 

慶應義塾大学 三田キャンパス大学院校舎 8階

テーマ : 

韓国の地域メディア:ケーブルテレビを中心にして

報告者 : 

金美林氏(慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所、慶應義塾大学総合政策学部 非常勤講師)

概 要 : 

1. ケーブルテレビ業界の概要
韓国では、1970年にTV難視聴解消を目的とした有線放送受信管理法の施行令が改訂され、中継有線放送が開始された。また、1995年にはSystem Operator兼Program Producerとしてケーブルテレビが導入された。ケーブルテレビの発展過程は、四段階に整理することができる。第一にケーブルテレビ商用サービスを提 供していた1995年3月~2004年、第二にデジタルケーブルテレビ商用サービス・双方向データ放送・VODを提供していた2005年~2007年、第 三にHDサービスが拡大された2008年~2009年、第四にMVNO・Nスクリーン、スマートSTB、ホームネットワーク等の新規ビジネスモデルが展開 された2010年以降である。なお、韓国の総人口が約4,600万人であるのに対して、ケーブルテレビ加入者は1,490万5,802人(2012年4月 現在)であり、有料放送市場におけるケーブルテレビの媒体力の強さが伺える。ケーブルテレビの事業許可は20万世帯単位別に下りるため、ケーブル事業者の 事業規模は大きい。また、企業からの出資によって設立されている場合が多いので、商業的な色が濃い。
2. インタビュー調査の内容
報告者は、2012年7月24日~25日にかけて、韓国ケーブルテレビ協会・C&M(System Operator)・KT(通信事業者)へのインタビュー調査を行った。本調査によって、以下が明らかになった。
◆ケーブル事業者と通信事業者の競争実態
ケーブル事業者は、通信サービス(インターネット、電話、移動通信)市場の競争では不利な立場にある。その理由としては、第一に、通信事業者が全国事業者 であるのに対してケーブル事業者は地域を基盤としてサービスを展開していること(韓国では年間に国民の20%が引っ越しをする)、第二に、ケーブル事業者 が通信市場における後発事業者であることが挙げられる。一方、ケーブルテレビとIPTVの競争では、新規加入者確保のために熾烈な価格競争が繰り広げられ ている。ケーブルテレビ普及率は約80%(アナログ)であるものの、その加入率は小幅減少傾向にあり、IPTV加入者は500万人を超えるなど成長を見せ ている。なお、IPTV事業者同士の競争に目を向けてみると、KTが圧倒的な加入者数を確保している。KTは衛星放送を子会社としているため、IPTVと 衛星放送を結合したサービスのほか、QPSも提供している。ケーブル事業者の中にもMVNOを通じて移動通信市場に進出した会社はあるが、その影響力は小 さい。
以上のような市場状況を背景に、ケーブル事業者は、①インターネット接続やMVNOサービスの低価格での提供、②スマートフォンと連動した放送サービスの 提供、③Nスクリーンサービスの提供、④視聴者制作番組や視聴者参加番組など地域密着サービスの強化、⑤放送外事業の展開、を今後の経営戦略としている。
◆政府や自治体からの援助状況
1995年、ケーブルテレビ事業は三分割制度(System Operator/Network Operator/Program Provider)の下で開始された。この頃には、ケーブルテレビを普及させるために、総合有線放送事業者に対する税制優遇策や技術開発資金の支援や融資 が存在した。しかし、System Operatorが自らネットワークを構築できるようになった1998年以降は、有料放送事業者への援助は行わないという基本的原則が掲げられるように なったため、政府による直接的な援助は行われていない。
ケーブル事業者が今後政府や地方自治体に望む振興政策としては、デジタル転換に関連したものがあげられる。現在、地上波放送のデジタル転換のための振興政策はあるものの、地上波放送の再送信をしているケーブルテレビには援助策が用意されていない。
◆官民連携事業の有無
ケーブルテレビの双方向機能を利用して各種書類の発給や税金納付といった民間業務をケーブルテレビで行う「TV電子政府サービス」や、実務者の再教育を主な目的として2005年にソウル産業大学に設置された「ケーブル放送情報学科」などが例としてあげられる。
◆デジタル転換の状況
ケーブルテレビ放送局設備のデジタル転換は完了しており、伝送網のアップグレードも94%程度まで進んでいるが、2012年4月現在、視聴者のデジタル転 換率は30.3%に留まっている。政府は2016年までに有料放送加入者の90%以上をデジタル転換させることを目標としている。
◆地域番組の制作状況(C&Mの場合)
自主制作率は67.32%である(週間の総制作番組時間1,270分のうち、自主制作番組時間は855分)。地域番組の編成率は53.42%である(週間の編集時間10,080分のうち、自主制作編成俯瞰は5,385分)。
3. 韓国における地域メディアとしてのケーブルテレビ
韓国では、1991年以降、地域チャンネルに関する規定が定められるようになった。ただし、1991年「総合有線放送法」が地域チャンネルの運用をケーブ ル事業者の選択事項としていたのに対して、2000年「総合放送法」では地域チャンネルの運用が義務事項とされた。なお、地域番組の種類としては、地域の コミュニティ・観光・教育・不動産・生活に関する情報を提供する「地域性を出す番組」、1997年から実施され2004年以降注目されるようになった「選 挙報道番組」、自治体や学校などの公開会議を生中継・録画放送する「コミュニティ番組」、ドキュメンタリ番組や地域紹介番組など国内System Operatorによる「交換・共同制作番組」、「視聴者制作(参加)番組」などがあげられる。

2012年度 第2回地域メディア研究会

日 時 : 

7月31日(火)17:30~19:00

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス 大学院棟8階会議室
(108-8345 東京都港区三田2-15-45)

テーマ : 

「イギリスにおけるローカルメディア政策」

発表者 : 

中村 美子 氏(NHK放送文化研究所メディア研究部主任研究員)

概 要 : 

世界規模で起きた不況は、各国のローカルメディアを疲弊させ、ローカルにおける情報の多様性や多元性が問題となっている。こうした事態に対し、2010年 5月に総選挙で勝利したイギリスの保守・自民連合政府はローカル情報の新たな担い手として地上デジタル放送においてローカルテレビを導入することを決定し た。政府は、ローカルテレビの可能性について、技術的な可能性、事業者の関心、視聴者のニーズなど検証し、その結果、全国21の都市で導入可能とした。7 月現在、ローカルテレビの免許の募集が行われており、8月中旬に締め切られる。免許条件は、1日2時間のローカル情報の放送など軽度なもので、NPOや ネット事業など地元を基盤とした多様プレーヤーの参加が予測される。行政との連携は、都市によって異なっている。また、公共放送BBCのローカル情報の提 供はもっぱらローカルラジオによるもので、ラジオに比べテレビによるローカルサービスは十分ではない。BBCは政府との取り決めの下に、新しいローカルテ レビから番組を購入することが決まっている。

2012年度 第1回地域メディア研究会 (学会大会)

日 時 : 

2012年6月24日(日)14:45~16:15

場 所 : 

国際教養大学 D201教室(学会大会)

テーマ : 

「ブロードバンドの普及拡大が拓く映像系地域メディアの可能性

発表者 : 

米谷 南海(慶應義塾大学大学院)、脇浜 紀子(読売テレビ放送/京都精華大学非常勤講師)

コメンテータ:

高田 義久(慶應義塾大学) 、菅谷 実(慶應義塾大学)

司 会 : 

上原 伸元(東京国際大学)

概 要 : 

従来、地域メディアとして一般に認識されてきたのは、地元企業や自治体が支援する地方新聞社や地上テレビ放送局、ケーブルテレビ等のマス・メディアと、 NPOや個人を主な担い手とするミニコミ誌やコミュニティFM等のコミュニティ・メディアという二つのカテゴリー区分だった。しかし、ブロードバンドの普 及拡大は、これまでマス・メディア的なサービスが困難だった個人やNPOにも、広域発信や情報リッチなコンテンツ(映像、音声)の提供を可能にさせつつあ る。
 本研究会ではこうした現状を踏まえ、地域メディア・ネットワークの利用動向に関するアンケート調査の結果を基に、地方におけるブロードバンド設備競争の 現状と、映像系地域メディアの利用実態を報告すると共に、パネル討論を行い、今後の映像系地域メディアのあり方とその可能性を探るものである。なお、各報 告の詳細は下記のとおりである。
1)地域ブロードバンド市場における設備競争の実態
地域情報を提供可能な有線ネットワークは、通信系とケーブルテレビ系に大別されるが、ここでは特に設備競争が活発に行われている地域に焦点を当て、その競 争実態について報告する。加えて、加入動機・サービスに対する評価・トリプルサービスの利用率という観点から比較することで、地域の利用者が各事業者をど のように特徴づけ、また評価しているかについても明らかにする。
2)映像系地域メディアの利用実態
ブロードバンドの普及で映像ソフト充実の環境が整う一方、手軽に動画を発信できるスマートフォン利用者も急増している。映像情報は訴求力が高く、万人が理 解しやすいという特徴を持つだけに、今後、地域メディアとして機能する可能性があるのではないか。特に大都市圏において各映像メディアが「地域メディア」 としてどの程度利用され、評価されているかについての現状を報告する。

2011年度 第3回地域メディア研究会

日 時 : 

9月27日(火) 16:30~18:00

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス 東館4階会議室

テーマ : 

「東日本大震災とケーブルテレビ -釜石市三陸ブロードネットの事例から-」

報告者 : 

齊藤 聡氏(三陸ブロードネット株式会社、代表取締役社長)

概 要 : 

3月11日に発生した東日本大震災の被害とその対応について、釜石市三陸ブロードネット株式会社代表取締役社長齊藤 聡氏からご講演を頂いた。
本研究会の冒頭では、三陸ブロードネットの社員の方が撮影した地震発生時の記録ビデオと釜石市の被害状況についてご紹介を頂いた。
震災直後のインフラについては、使用不可能な状態が続いており、その理由として、①NTT回線の孤立、②電力インフラ復旧の遅れ、③リアス式海岸の地形によるインフラ復旧の遅れという3点をご指摘頂いた。
震災発生以降のデマや風評被害の対応としては、対面によるコミュニケーションが重視されることで、デマの拡散につながるというお話であった。また、地域住 民の情報に対する欲求の変化がみられており、発生直後の東日本震災全体の情報から、時間の経過とともに釜石の被害情報へとニーズが移っている。情報収集の ためのメディア選択は、FM放送、携帯電話やスマートフォンが中心であった。
三陸ブロードネット社の情報伝達としては、震災直後は携帯電話やスマートフォン、Skype、Twitterを活用して行われ、インターネット回線は約 1ヶ月間復旧しなかったため、スマートフォンを用いたデザリングでの対応となった。震災直後から現在に至るまで、UPSの故障により、発動機からの長期間 電源供給による障害は他社にも発生していることから、今後の災害対応に向けて急務の課題と考えられた。
ご講演後、参加者のほぼ全員から質問が行われた。三陸ブロードネット社の持つ地域密着を活かした情報収集と発信方法、地形や自然条件の困難性による仮設住 宅のインフラ整備の工夫、地域住民の情報ニーズの変化や対面を重視したコミュニケーションの再認識など、リアルな状況説明とともに、災害時のケーブルテレ ビの対応や役割及び地域情報について、貴重なご意見を頂いた。
震災対応で多忙を極めるなか、本研究会にお越し頂き、ご講演頂いた三陸ブロードネット株式会社代表取締役社長齊藤 聡氏に深謝いたします。

2011年度 第2回地域メディア研究会 (学会大会)

日 時 : 

2011年7月3日(日) 14:45~16:15 

場 所 : 

専修大学生田キャンパス10号館10314教室

テーマ : 

「地域メディア利用動向に関する調査報告」

報告者 : 

(1)報告者
・高田 義久 氏(慶應義塾大学)
・菅谷 実 氏(慶應義塾大学)+ 米谷 南海 氏(慶應義塾大学大学院)
・並木 志乃 氏(東京大学)
(2)コメンテータ
・金田 英郎 氏(日本ケーブルテレビ連盟)
・脇浜 紀子 氏(読売テレビ放送、京都精華大学非常勤講師)
(3)司会
・上原 伸元 氏(東京国際大学)

概 要 : 

本研究会は、昨年度の学会大会においてケーブルテレビ事業者が提供するコミュニティ・チャンネルをテーマに、地域情報の送り手側の現状と課題に関する報告を行った。今年度は前年度の報告を踏まえ、受け手側から見た地域情報の現状と課題について、総務省情報通信政策研究所との共同研究で実施した全国ウェブ・アンケートの調査結果や、関連テーマの研究報告を基に議論を行う(各研究報告の詳細は下記のとおりである)。

(1)メディア利用と望まれる地域情報(高田義久)
近年、通信のブロードバンド化が進み、通信と放送を含む地域メディアの利用のあり方が変化しつつある。また、メディアが多様化する中で、地域情報についても、各メディアの特性を生かした地域情報の発信が望まれている。本件では、本年実施した地域における各メディアの利用実態と利用動向に係る全国調査の概要を報告する。

(2)アンケート調査による設備競争の現状(菅谷実・米谷南海)
トリプルサービスを提供可能な有線ネットワークは通信系とケーブルテレビ系に大別されるが、ここでは各県ごとにそのシェアーを明らかにし、地域ごとの競争の実態を示すことを試みた。その実態には地域格差がみられるが、その要因を多面的に考察する。

(3)地域メディアの多様性とその課題(並木志乃)
地域社会において情報発信のあり方が検討されているなか、伝えるべき情報の内容の取捨選択やコミュニケーションはより重要なものとなっている。本研究では、人吉市・札幌市・藤沢市における、住民グループの構成によるワークショップの議論のなかから事例を提示し、その経過とともに考察を加え、地域メディアをとりまく現状とその課題について整理する。

2011年度 第1回地域メディア研究会

日 時 : 

2011年5月25日(水)18:30~

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス 大学院棟8階会議室

テーマ : 

「東日本大震災とコミュニティラジオ」

参加人数: 

17人

報告者 : 

金山 智子 氏(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授)

概 要 : 

2011年3月に発生した東日本大震災の被災状況を伝えるメディアとしてコミュニティFMが大きな役割を果たしている。本研究会では、まず、コミュニティ FMの歴史的背景や経営方式、コミュニティでの役割と地域連携のあり方について、ご教授を頂いた。そして、被災状況を伝えたFMラジオ局の写真の提示とと もに、臨時災害放送局の意義と課題、市民との日頃のコミュニケーションの重要性、及び、FM局に対する長期にわたる多様な支援の必要性についてご指摘がな された。コミュニティFMの番組と連動し、iPhone,Ustream,Twitterを活用した事例についてもご紹介を頂いた。
 会場からは、特に臨時災害放送局について多くの質問があり、免許制度や番組編成のあり方、テレビ放送をはじめとする他メディアとの連携に関する活発な議論がなされた。

2010年度 第5回地域メディア研究会

日 時 : 

2010年10月12日(火)18:00~

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス 大学院棟8階会議室

テーマ : 

「米国のユニバーサル・サービス-その理念と実践」

報告者 : 

クリスティナ・ヒガ 氏(ハワイ大学社会科学研究所情報通信政策グループ副所長)

概 要 : 

米国のユニバーサル・サービス制度は、高コスト地域への補助にとどまらず医療、教育などのアプリケーション分野にもわたる幅広いプログラムを展開してい る。報告では、ユニバーサル・サービス制度を含む、米国連邦政府のルーラル地域への情報通信規範整備政策の概要をお話しいただき、その後、具体的なユニ バーサル・サービス基金の申請と運用状況、そのプロセスにおける問題点、さらに、ブロードバンド時代のユニバーサル・サービス論議についても、現況の議論 の動向を紹介いただいた。
その後、参加者からの質疑応答も活発になされたが、改めて日本と米国のユニバーサル・サービス政策の違いについて再認識させられる報告となった。

2010年度 第4回地域メディア研究会

日 時 : 

2010年8月19日(木) 14:30~17:10 

場 所 : 

全日空ホテルズ ホテルグランコート名古屋7階「ザ・グランコート」
(名古屋市中区金山町1-1-1)

テーマ : 

「光の道構想でケーブルテレビはどうなる?」

報告者 : 

(1)菅谷 実 氏(慶應義塾大学教授)
「光の道構想とケーブルテレビの役割」
(2)坂本 万明 氏((株)倉敷ケーブルテレビ取締役副社長)
「コミチャンはメディアのビオトープ」

概 要 : 

「光の道構想」は、原口総務大臣が2009年末に「ICT維新ビジョン」として打ち上げ、「100Mbps以上」のインフラを100%整備し普及させ、 ICTを利活用して豊かな社会を実現しようとするもの。今回のセミナーでは、光の道構想が抱えるケーブルテレビ事業者への課題を明らかにし、光の道構想の 中でケーブルテレビの存在意義を高めるためにも今改めて問われている地域密着型メディアとしての地域力を示す一時例を紹介する。

参加費 : 

セミナーは無料 情報交換パーティ9000円(発表終了後、懇親会があります。)

*今回の研究会は(社)日本ケーブルテレビ連盟東海支部の主催、情報通信学会・地域メディア研究会の後援で行われます。

2010年度 第3回地域メディア研究会 (学会大会)

日 時 : 

2010年6月26日(土) 14:40~16:10 

テーマ : 

「ケーブル・コミュニティサービスの現在と未来」

講演者 : 

(1)パネリスト
・川瀬 隆介氏(株式会社キャッチネットワーク 代表取締役社長)
・杉山 博之氏(山江村役場 産業情報課CATVセンター長)
・若林 宗男氏(株式会社ジュピターテレコム メディア事業部門 放送・制作部長)
(2)コメンテータ
・脇浜 紀子氏(読売テレビ放送株式会社 編成局アナウンス部、京都精華大学非常勤講師)
(3)司会
・上原 伸元氏(東京国際大学)

概 要 : 

ケーブルテレビの普及当初から地域情報化の担い手として期待されてきた自主放送(ケーブル・コミュニティチャンネル)だが、黎明期の自治体主導の時代を経 て、事業者の合従連衡によるMSO化の進展、さらにはIPTVサービスとの競合時代の到来により、ケーブルテレビを取り巻く環境は大きく変容している。
本研究会報告では、コミュニティチャンネル、コミュニティ番組などによる地域との連携の実例を踏まえて、今後、経営的な側面においてもケーブルテレビに どのような競争優位性を与えうるのかという観点について、3名のパネリストから報告をいただく。その後、コメンテータが課題の整理をおこない、さらにパネ ル討論のなかで今後のコミュニティサービス、地元メディアとしてのケーブルテレビの在り方を論じる。

2010年度 第2回地域メディア研究会

日 時 : 

2010年6月8日(火)16:00~17:30

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス東館4階セミナー室 (三田通りに面したビルの4階です)

テーマ : 

地域メディアと地域活性化(ケーブルテレビとNHKの連携)
「高校生チームの食・農による”地域おこし”コンテスト」

報告者 : 

大橋 昭喜 氏(㈱NHKエンタープライズ 第1事業センター 企画事業」
「全国高校生対抗ごはんDE笑顔プロジェクト選手権」事務局担当

概 要 : 

JA全国農業協同組合中央会が主催する『全国高校生対抗ごはんDE笑顔プロジェクト選手権』という競技イベントでは、高校生チームが地元の農産物を使った 新しい食品や料理法の開発に挑戦、それを地域に広めることでふるさとを元気にする活動を展開する。「食」と「農」をテコにした”地域活性化”の成果を競う 大会である。昨年の大会に参加した高校生チームのユニークな活動事例を紹介しながら、「食」「農」による地域活性化の可能性や、CATVなど地域メディア でも積極的に紹介していくことの意義や効果について報告する。

2010年度 第1回地域メディア研究会

日 時 : 

2010年5月11日(火)16:00~17:30

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス東館4階セミナー室 (三田通りに面したビルの4階です)

テーマ : 

「兵庫県のケーブルテレビ ローカルメディアの視点から」

報告者 : 

脇浜 紀子 氏(読売テレビ編成局アナウンス部、京都精華大学非常勤講師)

概 要 : 

兵庫県内のケーブルテレビ局のコミュニティ・チャンネルについての視聴者の満足度調査から、過疎圏ほど提供される地域情報への満足度が高く、制作スタッフ を多く投入し、多くの番組を作ることが満足度を高めていることがわかった。また地上波テレビでは在阪局がカバーする広域免許圏内なので、過疎圏以外でも地 域情報発信余地が大きいはずだがそれを生かしきれていない。伝送路を超えた地域メディア連携を模索すべきではないか。

2009年度 第2回地域メディア研究会

日 時 : 

2010年2月8日(月) 16:00~17:30

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス東館4階セミナー室 (三田通りに面したビルの4階です)
*当日は 広島市立大学からも遠隔での参加が可能です。
(広島市立大学 国際学部棟 4階404号講義室)

テーマ : 

「自治体デジタルサイネージに関して」

報告者 : 

田中 真吾氏(ピーディーシー株式会社 取締役 シスムビジネス部 部長)

概 要 : 

国内のインターネット回線普及率が99.0%に達し、その内ブロードバンド回線は76.8%を占め、光回線は68.2%となっている(出典:総務省 平成 20年「通信利用動向調査」)そのような情勢のもと、自治体においてもデジタルサイネージの普及が広がっており、主に地域活性、自治体インフラ整備、観光 案内、防犯対策等が目的となっている。
今回は弊社の事例を紹介しながら、自治体向けデジタルサイネージに関して、デジタルサイネージが本来もつ役割と機能を十分に発揮するためのシステム及びサービスについて発表を行う。

2009年度 第1回地域メディア研究会

日 時 : 

2009年12月7日(月)16:30-18:00

場 所 : 

慶應義塾大学三田キャンパス東館4階セミナー室 (三田通りに面したビルの4階です)

テーマ : 

「地域WiMAX事業を開始して」

報告者 : 

大橋 弘明 氏(株式会社ハートネットワーク代表取締役社長/社団法人日本ケーブルテレビ連盟理事・四国支部長/ケーブルテレビ無線利活用促進協議会理事・次世代無線利活用部会部会長)

概 要 : 

地域の活性化の一助として地域情報化の重要性が再確認されてきています。総務省の諸施策にもデジタル・ディバイドの解消や条件不利地域の根絶が謳われてい ます。これまではCATV・ADSL・FTTH等がその中心メディアでしたが、新たに地域WiMAXがその一翼を担えるのではとの期待が膨らみ始めていま す。本年4月より本格的に事業を開始して経験したその有用性の一端を報告します。