活動状況
メディア集中に関する研究会
過去の研究会
2011年度 第4回研究会報告
日 時 :
2011年11月22日 (火) 10:00 ~ 11:40
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「国際プロジェクトへの日本からの報告と横浜会合の準備について」
講 師 :
中村 清 氏(早稲田大学)
林紘 一郎 氏(情報セキュリティ大学院大学)
参加者数:
9名
報告書 :
2011年度 第3回研究会報告
日 時 :
10月11日(火)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
国際プロジェクトブラッセル会合の報告と横浜会合の準備について
講 師 :
林 紘一郎氏(情報セキュリティ大学院大学)
報告書 :
報告概要:
メディア集中に関する研究会と連動してInternational Media Concentration Project(IMCP)が活動してきました。IMCPは去る9月19日に第3回会合をブラッセルで開催し、各国調査の進捗を確認し、今後の予定につい て議論しました。このIMCPの第4回会合は2012年1月20日、21日に横浜で開催されることになっています。
そこで、今回の研究会では、ブラッセル会合に参加された林紘一郎氏より会合の結果についてお話しいただくとともに、横浜会合の準備について相談します。
2011年度 第2回研究会報告
日 時 :
2011年5月20日(金)10:00~11:30
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「震災に伴うメディア接触動向に関する調査」
講 師 :
寺田 知太 氏(野村総合研究所)
参加者数:
23名
発表資料:
報告概要:
寺田知太氏は、東日本大震災の直後に反射的に実施した調査であり学術的には不十分な点もあるが、人々がマスメディアをどのように利用したかがわかるので報告したい、として概略次のような報告を行った。
・ 調査は、インサイトシグナルを利用し、大震災発生後8 日目の土曜日と日曜日に実施した。通常は、クライアントへの要請に対応する形で、いわゆるメディア接触率をパネル調査しているものだが、今回はこれに震災関連の調査を含めた。
・ どのメディアが提供する情報を重視したか。NHK81%、民放が全部併せて56%、Yahoo!やGoogle などのポータルが43.2%。あらためて、TV は強かったというのが感想である。
・ クロス分析をすると、新聞とソーシャルメディアを比較したとき、20 代若者は新聞とソーシャルの比重がほとんど同じだが、50 代になるとソーシャルがぐっと下がるという特徴が出た。
・ 震災報道に接してNHK に対する信頼度が上がったと回答した割合は約三割、次いで、ポータルサイト、ソーシャルメディア。民放と新聞社は各社別々に見ても、ネット系メディアより信頼度を上げた社は存在しない。
・ 信頼度が下がったのは政府自治体の情報。民放も下げている。ソーシャルメディアについても信頼が下がったと回答したものがいる。ソーシャルについて、いい面・悪い面で評価された結果と考えられる。
・ 上昇から低下を差し引いくと、NHK が大きく上げた。ソーシャルも、功罪どちらもあったが、上昇だった。民放への信頼度低下が著しく、政府・自治体への信頼度低下も大きい。
・ 震災発生一ヶ月に改めて同一対象でパネル調査をした。人々は、節電、義援金、買い置き、などの行動を取っている。節電は女性全般、高齢層の中でも女性層。義援金は高齢層、買い置きは30 代女性がそれぞれ高位。
・ 震災後1 週間で重視したメディアと消費者の行動を比較したが大きな差は見られない。テレビを見ている人が節電したか、民放を見た人が節電したか、という結果もでな い。ネットで煽られて買い置きに走った、というような事も無い。各メディアが同じ役割を果たしたからか、消費者は見たいメディアしか見ていないからか。
・ 今後利用を増やしたいメディアはNHK テレビが30%で一位、ポータルが16%、新聞13%、ソーシャルメディアが8%。新聞を読みたいという方が増えているのは驚き。理由まではおさえていない。
・ 震災後一週間で重視したメディアと、今後利用を増やしたいメディアの関係を調べた。新聞・テレビ(NHK)・ポータル・ソーシャルメディアと、一週間後値 を上げたメディアが、これから重視されるという傾向が出た。今後が描けないのが右下テレビ(民放)で、災害時一定の役割を果たしたが、上記メディアの後塵 を拝する可能性が高いのがラジオ(NHK)である。
・ 今回の大震災ほど、メディア漬けになることはなかなか無い。人々がメディアに接触してお考えになられたことは、一種の加速試験と見ることもできる。その結 果から将来を類推すると、情報コンテンツ産業はアンバンドル化されていくと考えられる。その中で「誰が発信したか」が信頼度に影響するようになっていくだ ろう。
講演ののち、以下の点について質疑応答があった。
調査を実施した理由について
実際、どれくらいどのメディアを使っているのかについて、震災直後に生のデータを押さえておくことに比重を置いた。デマも含めネット界隈でいろいろ流れていた中で、どれくらいの人が、どのようにメディア接触したのか、のデータを得たかった。
民放が信頼度を下げた原因について
調査で押さえたかったところだが調べていない。ネット界隈では、番組の作り方が問題にされている。客観的な情報を流すのか、衝撃的な映像を見せるのか、というNHK と民放の差が指摘されている。
視聴率の高いところが信頼度を下げた傾向があるが、視聴者は見ないと判断が出来ないということだろう。信頼度を下げても民放を見ていたのは、速報性・信頼 性・惰性からだろう。まずは民放で確認する、という人々が多かったということだ。ただ、民放CS のnews専門チャンネルなどを詳しく分類して調査したわけではない。この調査で民放といっているのは、地上波と見做して欲しい。
(コメント)学生に200 人ぐらいに聞いたところ、事実が知りたいのに涙を訴えられても話にならない、という回答を得ている。
コミュニティチャンネルについて
ローカルな一次情報では、誰が伝えたかが重要である。地域のケーブルテレビ局が伝える、自治体がTwitter で伝える、そういった、誰が伝えるかというところが重要になるのであり、端末は問われない。何かのときのためにコミュニティチャンネルの設備を維持してお くことは大変だし、そのときのためにラジオの電池を置いておくのも非現実的。いろいろなメディアが利用され、その中に、ローカルな情報が必要とされる、と 考えるべきではないか。
(コメント)目黒区役所の職員にヒアリングをしたが、帰宅難民に施設を開放したことを、目黒駅に職員が走って大声で伝えた、と聞いた。ローカル情報を伝えるときには、駅のサイネージを利用するなど、もっといろいろなことをやったほうがいい。
震災情報の種類と利用したメディアの関係について
震災情報というが、地震・原発・停電、交通など、ありとあらゆる情報が流れた。視聴者がどれを意識しているかは調べていない。
(コメント)茨城県民としてコメントする。震災7 日目くらいでは、県内の広いエリアが停電していた。あるいは停電から復旧したばかりだった。それが、ラジオを重視していた理由である。テレビのテロップは NHK だけがずっと茨城の情報を流していた。ガソリンスタンドの情報をTwitter で得ていた、ということもある。求める情報の種類と質が異なるのに、ひとまとめにして信頼度が上がった、下がったとするのは若干乱暴と感じる。
UStream やRadiko の再送信について
明示的に聞いていないが、アクセスログを見ると100 サンプル位にしかなっていない。まだ比重は小さい。
ポータルサイトの信頼度向上について
新聞社の情報を集めてきたとしても、Yahoo!を経由すると信頼度が上がるという結果になっている。ここから「誰が発信したか」がこれからは重視されると考えた。
今後のメディア産業について
今回の調査がすべてだと言うつもりは無い。しかし日本で一番大きいボリュームゾーンである関東圏の方がどう考えるのかは、今後を考える上での示唆になるだ ろう。これだけメディアに接触した、ということは大震災が無ければ無かった。次に、何かを知りたいと思ったとき、今回のメディア利用経験が反映されるだろ う。それが消費者のメディア利用行動に影響する。今回ソーシャルメディアを使った人が、それの無い世界に戻ることも無い。
日本社会の将来像について
効率、セキュリティと社会のまとまりのうち、日本はセキュリティと社会のまとまりを重視するようになるだろう。今後何に関する支出を減らすか調査すると、 節電、省エネルギーの回答が出る。これまでもCO2 の7%削減を散々いってきたが、下がらなかった。それが今は出来ている。この夏で終わる話では無い。節電する、エネルギーを節約する生活が根付いてくる と、考えている。
2011年度 第1回研究会報告
日 時 :
2011年4月19日(火)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「国際プロジェクトに提出するレポートについて」
参加者数:
8名
発表資料:
報告概要:
浅利光昭氏(メディア開発綜研)提出のレポート原案に基づいて、修正・追加等の必要性を検討した。今後、浅利氏はデータの修正に努め、その間に中村清氏 (主査)を中心に説明部分を書き進め、ネイティブチェックもかけて、レポートとして完成させることになった。レポートは5 月初旬に国際プロジェクト事務局に提出の予定である。
以後、主な修正・追加点を列挙する。
共通事項:
・ 日本円のドルへの換算については、米国財務省が発表する年平均為替レートを使用することになるか、国際プロジェクト事務局に問い合わせ対応する。
・ 各メディアのHHI については、できる限り2008 年分を追加する。
・ HHI とC4 について年次推移のグラフを追加する。
TV 放送:
・ 1990 年代初頭からのTV 局数の増加、新聞とTV 放送の資本関係などについて説明を追加する。
新聞:
・ 2006 年までのデータとし、2008 年度分は追加しない。
・ 発行部数ベースであることの説明を追加する。
出版(書籍・雑誌):
・ 日本では出版社が書籍と雑誌を共に扱っており、両者の分離は不可能であることについて注記する。
・ HHI の計算方法について、説明を加える。
・ C5 を表記していることについて、説明を加える。
移動通信:
・ 企業グループごとに集計した後にHHI を計算する。
・ どの社が同一企業グループにあるか、わかりやすい表を作る。
・ C4 を表記する。
有線通信:
・ 移動通信と同様に処理する。
映画:
・ 表が途中から、配給収入ベースから興行収入ベースに変わっていることを説明する。
・ 垂直統合型のビジネスモデルであることを説明する。
・ C4 を表記する。
ISP:
・ 2008 年データに更新する。
・ 原典を明示する。
・ Yahoo の数値について再度チェックする。
・ C4 を表記する。
検索エンジン:
・ 原典を明記する。
・ Yahoo Japan の表記を修正する。
AM 放送:
・ 2008 年データに更新する。
FM 放送:
・ 2008 年データに更新する。
・ コミュニティFM について説明をつける。
ケーブルテレビと衛星放送:
・ BS、CS、ケーブルテレビの三つを分離して表を作成する。
・ C4 を表記する。
音楽:
・ 収入ベースであることを明記する。
・ C4 を表記する。
次回研究会は、大震災後によるメディアへの信頼度の変化について、幹事より講演を依頼することになった。
以上 (文責 山田肇)
2010年度 第6回研究会報告
日 時 :
2011年2 月15日(火)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「家庭用ゲーム産業における集中について」
報告者 :
岡本基氏(情報・システム研究機構新領域融合研究センター)
参加者数:
10名
発表資料:
報告概要:
岡本氏より、別紙の資料に基づき、家庭用据置型ゲーム機と、同ゲームソフト市場の集中度について報告があった。報告の概要は次の通りである。
2010年度 第5回研究会報告
日 時 :
2010年12月27日(月)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「放送を中心とするコンテンツの多様性」
報告者 :
浅井澄子 氏 (大妻女子大学社会情報学部)
参加者数:
13名
報告概要:
浅井澄子氏より概略次の通り発表があった。
・チャンネル数と放送時間という制約が存在する放送市場において、放送の多様性を計測するという研究を進めてきた。放送番組の調和原則や放送局の所有規制という制度が有効に機能しているかについて、実証的なデータを与えることを目的としている。
・分析に用いた指標は三つ。垂直的多様性については同一放送局における番組ジャンルの集中の程度をHHI で評価した。水平的多様性については同一時間帯での番組ジャンル数の平均値で評価した。かい離指数は放送局間の独自性の程度を示すものである。
・2010 年8 月1 日から7 日について計測したところ、垂直的多様性では、日本テレビがバラエティに偏り(HHI=4500)、NHK BS1 がスポーツに偏っている(HHI=4300)ことが明らかになった。他の放送局のHHI は、NHK=2840、TBS=2850、フジテレ
ビ=3200、テレビ朝日=1830、テレビ東京=2410 などであった。
(備考)この研究会では今までパーセントで表した比率からHHI を求めてきたので、この報告では、報告者が出したHHI(比率から計算し、0 と1 の間に分布する)を1万倍して記載している。
・水平的多様性では、地上波とBS の合計14 局で、同一時間帯に平均8.10 ジャンルの番組が放送されていることが示された。
・かい離指数では、地上波放送間でNHK と民放のかい離が大きいこと、NHK の地上波とBS の間でも全般的にかなり高いかい離があり競合を避ける番組編成になっているこ
と、地上波民放(テレビ東京を除く)と系列のBS 局との間でもかい離が見えること、テレビ東京だけはBS ジャパンを地上波がネットされていない地域への配信手段として利用しているためかい離が小さいことが明らかになった。
・NHK ではBS 三局個々に見ると番組ジャンルに偏りがあるが、三つを合わせると多様なジャンルが放送されている。このことは、個々の放送局ごとに番組ジャンルのバランスを求める放送番組の調和原則を再検討すべきことを意味する。
・地上波と系列のBS 局とは、競合を避ける番組編成になっている。したがって、多様性を確保する手段としての所有規制には疑問がある。
発表後、以下の質疑があった。
・教育番組、地上波の独立局や新しいBS 局を計測対象としなかった理由は何か。
→ 単純に労力がないのと、新しい局は編成方針がまだ揺らいでいる可能性があったため。
・ローカル番組がどの程度含まれているかを分析すべきではないか。
→ 番組をビデオにとって分析しなければわからないため、今回は取り上げていない。
・視聴率を計測の対象としていない理由は何か。最近の視聴率落ち込みの影響は出ていないのか。
→ 番組編成へのヒントがあらわになってしまう、という懸念から視聴率データは提供してもらえない。そこで、公表データだけで分析するという立場で研究を進めている。このため、需要面の分析ができず供給側からの分析にとどまっている。
・広告収入の落ち込みなどテレビ局を取り巻く環境の変化が計測結果に影響を与えていないのか。持株会社化の影響は出ていないのか。
→ 1997 年からの経年的な評価を進めているところである。直近の1、2 年では、HHI は上昇しており、多様性の低下が見られるようである。持株会社化については、実証研究としては、数年先にならなければ意味のある情報は得られないと思う。
・番組調和原則や所有規制は本当に必要なのか。
→ これらの問題については多角的な論点からの分析が必要である。今回の研究は、あくまでテレビ放送の多様性に関する実証的なデータを示すことに狙いを定めたものであって、多角的な論点のすべてをカバーするものではない。
以上 (文責 山田肇)
2010年度 第4回研究会報告
日 時 :
2010年11月5日(金)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト (新大手町ビル1階)
テーマ :
「音楽ソフト市場における市場占有率の動向」
報告者 :
浅利光昭 氏 (メディア開発綜研)
参加者数:
10名
報告概要:
ディア開発綜研の浅利光昭氏よりわが国音楽ソフト市場における市場占有率の動向について報告があった。この報告は、『日刊レコード特信決算特集号』に基づ き、各社の売上高を基に市場集中を計算した結果である。1994 年当時HHI は1000 前後であったが、その後徐々に上昇し、2009 年には1800 近くになっている。世界的な業界再編の中で、日本の音楽ソフト産業も売上高ベースでの集中が進んでいることがわかった。
主要な質疑:
・市場規模が縮小する中でHHI が少し上昇するという、他の産業にも見える「衰退の中で集中が高まる」という方向が見える。しかし技術や流通の変化(ネット配信の拡大)を受けている点に 十分注意をする必要がある。ただ、将来レコード会社が1 社になっても音楽自体は多様化するかもしれない。
・市場の縮小には違法コピーがあるともいわれ、日本レコード協会は違法コピーの問題をセンシティブに捉えている。実態調査の結果を見ると、とくに若年層、 友達同士のカジュアルコピー、もう一つ、インターネット上のコピーによって、大きな影響をうけている、とされている。ただ携帯はカジュアルコピーできない にも関わらず下がってきている面もある。全く影響がないとはいえないが、東アジアで言われているほどの大きな影響は受けていないだろう。
・世界的なプレイヤーと国内のプレイヤーとの関係について検討が必要である。ユニバーサルやソニーといった世界メジャーが日本に参入しているにも関わらず HHI1700、という数値をどうみるか。ポニーキャニオンだけでもこれだけ市場とっているという事実をどう捕らえるか。
・関連してライブコンサートの市場がある。社団法人全国コンサートツアー事業者協会の数字で、2009 年は1255 億円、入場者数2606 万人。チケット販売はピア、ローソン、イーブラス等々。一方、カラオケ市場は寡占。プレイヤーがどんどん変わっていった。
パイオニアなど機械メーカーが最初は存在していたが、次第にシダックスなどに収斂した。音楽産業を語るときにこれは外せない。ユーザー支出ベースで行くと6500 億円になる。
以上
2010年度 第3回研究会報告
日 時 :
2010年9月30日(木)13:15~16:20
場 所 :
アルカディア市ヶ谷(私学会館)4階 鳳凰の間
(東京都千代田区九段北4-2-2-5)
テーマ1 :
「検索エンジンとメディア集中」
「わが国のIT政策と検索エンジン問題」
報告者1 :
田辺 雄史 氏(経済産業省商務情報局情報処理振興課長補佐)
テーマ2 :
「インターネットがマスメディアに与える影響」
報告者2 :
千田 利史 氏(ワンズ・コンサルティング代表)
テーマ3 :
「FTCにおける検索エンジン市場の業務提携に対する判断」
報告者3 :
Scott Cleland氏(President, PrecursorR LLC, Chairman, NetCompetition.org)
< パネル討論 >
モデレータ:
山田 肇 氏(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)
パネリスト:
千田 利史 氏、Cleland氏、林 紘一郎 氏(情報セキュリティ大学院大学学長)、小柳 建彦 氏(日本経済新聞社編集委員)、池田 信夫 氏(上武大学教授)
主 催 :
情報通信政策フォーラム(ICPF)
共 催 :
情報通信学会メディア集中に関する研究会
参加者数:
入場者69名+スタッフ
2010年度 第2回研究会報告
日 時 :
2010年6月26日(土) 13:00~14:30
場 所 :
早稲田大学国際会議場3階
テーマ1 :
ドイツにおけるメディア集中規制
報告者1 :
春日 教測 氏(近畿大学)
テーマ2 :
メディア集中に関する研究とその経緯
報告者2 :
林 紘一郎 氏(情報セキュリティ大学院大学)
参加者数:
30名
報告書 :
2010年度 第1回研究会報告
日 時 :
2010年5月11 日
場 所 :
東洋大学大手町サテライト
テーマ1 :
ニューヨーク会議(2010年3月)の概要について
報告者1 :
山田肇氏(東洋大学経済学部教授)、中村清氏(早稲田大学国際教養学部教授)
テーマ2 :
ITS2010におけるメディア集中セッションの内容について
報告者2 :
中村 清 氏(早稲田大学国際教養学部教授)
参加者数:
11名
議事内容:
議題NY における国際会議の報告および情報通信学会・ITS について 中村清早稲田大学教授より次のとおり報告があった。
・ノーム教授の言うボイスとして、メディアの影響力を探る上ではHHI は不十分。議論の最後の方では、他の方法についても模索の必要があるという声があった。
・6 月の26・27 日の情報通信学会では、26 日に日本における研究成果を発表したいと考えている。近畿大学の春日先生には、公正取引委員会のメンバーとして、ドイツでのメディア集中について発表していただくほか、林先生にも今までの発表をいただく。
・28・29 日とITS に移り、29 日にノーム教授と林先生で、media concentration についての会議を行う。ノーム教授にはメディア融合についての議論をしていただくつもりでいる。
以下、次のような議論があった。
国際会議に関連する事項
・評価手法について。供給サイドのボイスの話だけでなく、需要サイドをどうとらえる かが今後の課題である。視聴時間などあるが、果たしてそれがどの程度指標として使えるか。ビデオリサーチが視聴時間のデータを持っているとのことで、もし研究として使える公表データであれば、研究が進むだろう。
・各国に特有の事情について。スイスはドイツ語圏とフランス語圏があって、一つの言語でない国家の場合、どのようにHHI を測るかが問題になっている。イタリアも南と北では違う。インドは南と北で言語も文化も違うので、データがナショナルデータであるかどうかは問題となる。 言語をどう分けるかという問題は、これから考えることになっている。
・インドの調査結果について。地上波テレビのHHI が10000 というデータがある。一見一社独占のようだが、インドでは空中波TV はシェア4 パーセントとの報告があり、CATV と衛星が台頭している。ケーブルや衛星放送が地上テレビの代替となっているとすれば、HHI をどのようにとらえるか、今後考えるべきだろう。
・レイヤー内の寡占について。Google は多様なWeb サイトがあるからこそ成立するビジネスである。メディア企業として多様なサービスに進出してくればが、検索エンジンのレイヤーで寡占が対象となる。
・公共の関与・規制の結果としての寡占について。我が国には民放は5 系列しかない。このように、どうあがいても国の免許数でHHI が固定される状況がある。他国も同様。中国は国家放送局なので、HHI は10000 しかありえないが、地方の衛星放送は広告収入の上で競争状態にある。また規制が言論の自由にどう影響するのか考えるべきであるという意見が強い。ノーム教 授は、淡々と数字を並べることを主張しているが、他の国は中立性や表現の自由について、つっこんだ結果を望んでいる。
・調査範囲の拡大について。ノーム教授はロシア・アフリカにも関心を示しているし、スポンサー探しも継続して行っている。全世界各国で6 つの産業を対象として指標を揃えようとしている。
・AOL が巨大合併を繰り返してきたことへの評価について。戦略的意思決定の段階で期待したシナジーは出ていないが、それぞれ独立した意志決定としてみれば失敗ではないと見做されている。ただ、このままで行けばアメリカのメディアは完全な寡占状態となる。
先行研究について
・20 世紀の終わりから21 世紀の初めにかけて、プロバイダ制限責任法や電子e 文書法などいろいろな法律が策定されたが、どれも機能していない。こういう問題点の分析をシュライファーが実施したWorld bank のWho owns Media(2003 年の論文)だが、参考になる。
・日本ではBPO が、ニュースの中立性をはかることを、第三者組織として行っている。
日韓中台のアジア連携について
・台湾の提案で東アジアの4 カ国・地域が共同研究を進めることになった。今年は台湾を予定しているが、来年以降、日本開催での会議開催のための資金の獲得を考えたい。
2009年度 第9回研究会報告
日 時 :
2010年1月26日(金)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町ビル校 新大手町ビル1階(スターバックスの前)
テーマ :
我が国におけるラジオの集中度評価(資料)
報告者 :
浅利 光昭 氏(メディア開発綜研)
2009年度 第8回研究会報告
日 時 :
2009年11月26日(木)16:00~18:00
場 所 :
早稲田大学早稲田キャンパス 11号館4階第4会議室
テーマ1 :
「情報の多様性と憲法(表現の自由・民主主義)」
報告者1 :
佐々木 秀智 氏(明治大学)
テーマ2 :
「集中度の計測について」
報告者2 :
中村 清 氏(早稲田大学)(資料)
2009年度 第7回研究会報告
日 時 :
2009年10月21日(水)16:00~18:00
場 所 :
東洋大学大手町ビル校 新大手町ビル1階(スターバックスの前)
テーマ :
「メディア集中指標の各国比較」 (資料)
報告者 :
山田 肇 氏(東洋大学)
2009年度 第6回研究会報告
日 時 :
2009年9月16日(水)14:00~16:00
場 所 :
東洋大学大手町ビル校 新大手町ビル1階(スターバックスの前)
テーマ1 :
「わが国メディアの集中度評価(概要)」(資料)
報告者1 :
浅利 光昭 氏(メディア開発綜研)
テーマ2 :
「経済理論における効用関数指標の『公理論的導出』方法について」
報告者2 :
鬼木 甫 氏(大阪大学名誉教授)
テーマ3 :
総合討論
2009年度 第5回研究会報告
日 時 :
2009年7月24日(金)14:00~16:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト(新大手町ビル1階)
テーマ :
「わが国CATVの集中度評価(試算)」
報告者 :
浅利 光昭 氏(メディア開発綜研)
報告概要:
我国のケーブルテレビの集中について(資料)
2009年度 第4回研究会報告
日 時 :
2009年7月10日(金)10:00~12:00
場 所 :
東洋大学大手町サテライト(新大手町ビル1階)
テーマ :
「台湾におけるメディア集中評価について」
報告者 :
Professor Yu-Li Lie, National Chengchi University
報告概要:
台湾におけるメディアの集中について(資料)
2009年度 第3回研究会報告
日 時 :
2009年6月28日(日)13:00~14:00
テーマ :
「日本におけるメディア集中:集中度計測の中間報告ならびにその問題点」
報告者 :
林 紘一郎 氏 (情報セキュリティ大学院大学)、山田 肇 氏(東洋大学)、中村 清 氏(早稲田大学)、豊嶋基暢 氏(慶應義塾大学)、市川 芳治 氏(慶應義塾大学)、城所 岩生 氏(成蹊大学)、浅利 光昭 氏(メディア開発綜研)
2009年度 第2回研究会報告
日 時 :
2009年5月29日(金)13:00~15:00
場 所 :
東洋大学大手町ビル校 新大手町ビル1階
テーマ :
「日本のメディア集中について」(情報通信学会における研究会のための事前検討会)
報告者 :
山田 肇 氏 (東洋大学教授)
報告概要:
学会大会における研究会報告について(資料)
2009年度 第1回研究会報告
日 時 :
2009年4月24日(月)13:30~15:30
場 所 :
東洋大学大手町ビル校 新大手町ビル1階(スターバックスの前)
テーマ :
「日本のメディア集中について」
報告者 :
浅利 光昭 氏(メディア開発綜研 主任研究員)
報告概要:
インターネット関連産業の集中度。 (資料)