活動状況
モバイルコミュニケーション研究会
過去の研究会
2024年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
2024年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
日時: 2024年10月19日(土)14:00~17:00
場所: 関西大学東京センター
テーマ:SNSを中心とするメディア利用の現状と課題:2010年からの継続調査を踏まえて
内容:
モバイルメディアが日常生活のあらゆる場面で利用されるようになり久しい。情報行動研究会とモバイル・コミュニケーション研究会は、合同で研究会を開催するにあたり、改めてモバイルメディアの利用実態とその変化を実証的なデータを元に振り返り、参加者とともに議論することとした。
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2010年以降毎年、モバイルメディアの利用実態やコミュニケーションのありようの調査を重ねてきている。今回の研究会では、2人の研究員に、同研究所のこれまでの調査を踏まえて、SNSを中心とするモバイルメディア利用の現状から、モバイルを中心とする情報行動について問題提起をおこなっていただく。
報告者:小島誠也(NTTドコモ モバイル社会研究所)
水野一成(NTTドコモ モバイル社会研究所)
討論者:小笠原盛浩(東洋大学)
司会:松田美佐(中央大学)
2024年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
場所:オンライン(ZOOM)
報告タイトル 「インスタ映え」とは何か―メディアと食文化―
報告者:藤本憲一(武庫川女子大学教授)
討論者:吉田 達(東京経済大学非常勤講師)
司会者:富田英典(関西大学教授)
報告概要:
2017年に流行語として取り上げられてから、現在では若者だけでなく、全世代的・日常的な習慣・文化として、すっかり定着した「インスタ映え」。とくに食文化とのかかわりにおいて、今日では重要な役割を果たしている。SNSというメディアを通じた、「味覚の視覚化」という側面から、その文化社会学的な意味を理論的に考察したい。
参加費:無料
申込方法:件名を「2024年度第1回モバイルコミュニケーション研究会参加申込」とし、氏名、所属・役職及び電子メールアドレスを明記の上、次に掲げる申込先メールアドレス宛まで5月25日(土)正午までにお申込みください。お申込みいただいた方には、視聴用のURL等詳細をメールでおしらせいたします。
2023年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ:「位置情報データからみえる『移動と幸せ』の関係」
日 時:2023年 5月28日(日) 16:30~18:30
場 所:オンライン開催
(Zoom
URL)https://kansai-u-ac-jp.zoom.us/j/97812115900
※なお、入室の際には、氏名の後にご所属を表示してください。
登壇者:伊藤耕太(博報堂生活総合研究所)
討論者:松田美佐(中央大学)
司会者:富田英典(関西大学)
概 要:
博報堂生活総合研究所では、携帯電話の位置情報データと意識調査を組み合わせた研究の試みとして、生活者の「移動」と「意識」の間にどのような関係があるかを探りました。
東京都在住者から抽出した1,314人の生活者から許諾を得て位置情報の取得と定量調査を実施、主観的幸福度をはじめとした意識を聴取し、統合的に分析したものです。その結果、滞在が短い時間でも「訪問エリア数」が多い生活者は、幸福度が高い傾向がみられました。一方で頻繁に長時間滞在するような「いきつけエリア数」は、幸福度との関連性は強くありませんでした。この研究から、多様な場所で新しい出会いの機会を得ている生活者の幸福度が高い可能性が示唆されました。本研究会ではビッグデータを用いた生活者研究の可能性や課題、データ可視化の手法などについて議論できればと思います。
参加費:無料
申込方法:事前申込不要
2022年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会のお知らせ
テーマ:モバイル・ソーシャルメディアでつながる福祉~認定NPO法人フローレンスの取り組み
日 時:9月5日(月)14:00~16:00
場 所:オンライン開催
報告者:桂山 奈緒子(認定NPO法人フローレンス)
司 会:松田 美佐(中央大学文学部教授)
討論者:天笠 邦一(昭和女子大学人間社会学部准教授)
概 要:
スマートフォンをはじめとする高機能なモバイルメディアが普及をはじめてから、10年余りがたち、LINEなどの各種SNSが、あらゆる人々の利用する社会のコミュニケーションインフラとなって久しい。一方でこうしたソーシャルメディアが、行政やNPOなどの手による公的な支援活動に活用されることは少なく、公的支援の分野では、真の意味でのDXが進んでいない状況が続いていた。
そのような状況の中で、認定NPO法人
フローレンスは、いち早くこの問題に着目。特に子育て支援の分野で、デジタルソーシャルワークと銘打ってLINEなどのSNSを活用した福祉のアウトリーチ事業である「おやこよりそいチャット」を神戸市などで展開している。
今回の研究会では、上記事業の担当者であるフローレンスの桂山奈緒子氏をお招きし、事業開始のきっかけ・コンセプトや事業内容の紹介にはじまり、こうしたサービスを利用する利用者の背景や生活環境、メディア利用の状況などをお話しいただく。そして、福祉の分野でモバイル・ソーシャルメディアが持つ可能性について、討論者や来場のみなさまとともに議論を行いたい。
(報告者プロフィール)
桂山奈緒子/1985年生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、2007年リクルート入社。ウェブサービスの企画開発、R&D、新規事業開発、全社人事等を担当。2019年8月に認定NPO法人フローレンスに入社。現在は、同法人こども宅食事業部マネージャーとして、こども宅食の全国普及推進、新規事業モデル開発を担当。
2021年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会のお知らせ
テーマ: ネット時代のフォークロア創造〜リアルアイムCGを用いたAR表現を題材に
日時:2021年5月15日(土) 13:00~15:00
場所:オンライン開催
報告者:タグチヒトシ(演出家)
司会:伊藤耕太(マーケティングディレクター、関西大学非常勤講師)
討論者:藤本憲一(武庫川女子大学教授)・杉本達應(東京都立大学准教授)
概要
報告者であるタグチヒトシ氏がコロナ禍において演出を担当した現代芸能『獅子と仁人』(ししとひと)は、身体表現とデジタルテクノロジーの融合による、オンラインでのみ完成する舞台作品かつ映像作品として公演されました。獅子舞、ダンス、生演奏、CG合成によるAR表現がオンラインでリアルタイムに融合し、沖縄から世界への配信を通じて鑑賞する観客は、舞台上に立っているような臨場感の中で、しかも肉眼で見るのよりもリッチな映像として、作品世界を体感することができます。本研究会では、本作を中心としたタグチ氏の実践と、インターネットやデジタル技術や駆使した映像体験で試みるフォークロア(伝承)創造の可能性について議論したいと思います。
(報告者プロフィール)
タグチヒトシ(演出家)
1973年横浜市出身、筑波大学芸術専門学群総合造形学科卒。演出・振付を駆使して生みだすのは「いま・ここ」の身体表現。2008年に株式会社イッカクを設立。現代という時代を創造し、表現と社会の新たなかかわりあいについて、その考察と実践を進めている。文化庁芸術家海外研修でニューヨークに滞在(2016年)。文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品「HERO
HEROINE」(2019年)。
『獅子と仁人』は、沖縄県宜野座の創作エイサーLUCKと、アートグループGRINDER-MAN、ビジュアルデザインスタジオWOWのコラボレーションによって、2020年11月に宜野座村文化センターがらまんホールからストリーミング配信にて発表。2020年12月には文化庁芸術文化収益強化事業に採択され、2021年2月に再収録。2021年4月から新版「The
Ancient Lion and Modern Man」がVimeo On Demandにてオンデマンド配信中。
https://www.facebook.com/shishitohito/
参加費: 無料
申込方法: 以下のサイトよりお申込みください。
https://peatix.com/event/1909596/view
2020年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会のお知らせ
テーマ:武士のAR訓練センター「六義園」を歩く
日時:6月27日(土)13:00~15:00
場所:YoutubeLive
報告者:安田登(能楽師)
討論者:伊藤耕太(マーケティングディレクター、関西大学総合情報学部非常勤講師)
司会者:富田英典(関西大学社会学部教授)
概要:能には「夢幻能」というジャンルがあります。旅の僧などのワキが名所やいわれのある場所を尋ねると、主人公であるシテが謎の人物として現れ、その土地に関連する話を始め、一度消えた後、幽霊や神など本来見えないはずの存在として再び現れるという構造のものです。この夢幻能にはAIやAR、VRなどの研究者も注目しています。その観点から興味深いのが、柳沢吉保が東京都文京区に作った六義園です。庭園のあちこちにいくつもの石柱があり、和歌の第一句が書かれています。例えば「わかのうら」という石柱がある。すると、それを見た人は「和歌の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る」という山部赤人の歌を思い浮かべ、目前にある現実の六義園の景色に、自分の頭の中、脳内で思い浮かべた和歌浦の夕方の景色を重ねることが求められます。さらには、この歌にあるように飛びゆくツルの姿や、その鳴き声も聞かなければいけない。つまり石柱は、いわば脳内ARを発動させるためのARマーカーのようなものとして機能していて、武士たちはこの庭園内をフィジカルに移動しながら、脳内で異なる時間・異なる場所に移動するARを発動させる稽古をしていました。脳内ARは為政者としての武士にとって、政治のためにも、また戦いのためにも大切なものであったわけです。今回は能楽師である安田登が、武士たちの脳内AR訓練センターである六義園をフィールドとして取り組んでいる試みについて報告されます。
(報告者プロフィール)
安田登(下掛宝生流能楽師)
1956(昭和31)年、千葉県銚子生れ。下掛宝生流能楽師。27歳の時に能のワキ方の流派である下掛宝生流に入門。能楽師のワキ方として国内外を問わず舞台で活躍する傍ら,『論語』を学ぶ寺子屋「遊学塾」を全国各地で開催。また,能の身体技法を基本にした新しい演劇の創作,演出等も手がけ,様々な分野のアーティストや文化人との交流の場を創造している。
著書:『異界を旅する能』(
筑摩書房)『身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。』(春秋社)『能―650年続いた仕掛けとは』(新潮社)他多数。
参加費: 無料
2019年度 第4回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 : 2019年9月2日(月)15:00~17:00
場 所 : 実践女子大学 渋谷キャンパス 402教室
(〒150-8538 東京都渋谷区東1-1-49)
テーマ: AR謎解きゲーム『サラと謎のハッカークラブ』の成功にみる、拡張現実の未来
報告者:李 禎み(Yoshimi Li)(プレティア株式会社共同創業者)
討論者:吉田 達(東京経済大学)
司会者:松下慶太(実践女子大学)
概要:近年、AR技術を利用した様々なサービスが登場している。今回は、AR謎解きゲームを取り上げる。プレティア株式会社は、『サラと謎のハッカークラブ』という渋谷を舞台にしたAR謎解きゲームと、ARコンテンツを様々な場所に簡単に出現させるために必要なARクラウドと呼ばれる基盤技術を制作・開発し、注目を集めている。そこで、そのコンテンツとシステム、魅力の秘密、そのアイディアがどのようにして生まれてきたのか、AR技術の今後の可能性などについて、プレティア株式会社の共同創業者である李 禎み(Yoshimi Li)氏にご報告をお願いし、議論を深めたい。
(報告者プロフィール)
李 禎み(Yoshimi Li)(プレティア株式会社共同創業者)
東京大学経済学部卒業。中国生まれ、東京育ち。日英中のトリリンガル。在学中に、大手スタートアップでの長期インターンや中国への長期留学を経験。大学卒業後、在学中より関わっていたARスタートアッププレティア株式会社に、共同創業者として正式参画。
2019年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 : 2019年7月27日(土)15:00~17:00
場 所 : 関西大学東京センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
※サピアタワー3階のオフィスロビー総合受付で入館手続きを行ったうえで、9階にお上がりください。
テーマ: 『「場所」論』と最近の場所事情
報告者:丸田一(株式会社WHERE代表取締役)
討論者:富田英典(関西大学)
司会者:羽渕一代(弘前大学)
概要:Beaconが工場、建設現場、オフィス、病院などに導入されつつある。同時に、高齢者の徘徊や小学生の登下校の見守りにも利用され始めている。それは、リアルとサイバーが融合するような状態である。本研究会では、このような状況をセカンドオフラインと呼んできた。そして、セカンドオフラインにおける場所感覚と時間感覚の変容に注目している。そこで、今回は、「時間と場所」「同期と同位」「通信と複製」などの概念から独自の場所論を展開されている丸田一氏から『「場所」論』と最近の場所事情」について報告をお願いし、議論を深めたい。同時に「EXBeaconプラットフォーム」などの事例についても紹介する。
(講師プロフィール)
丸田一(株式会社WHERE 代表取締役)
早稲田大学理工学部建築学科卒業。三和総合研究所主任研究員、UFJ総合研究所主席研究員、国際大学GLOCOM教授・副所長、などを経て現職。主な著書に、『「場所」論』(NTT出版)、『ウェブが創る新しい郷土-地域情報化のすすめ』(講談社現代新書)、『地域情報化の最前線-自前主義のすすめ』(岩波書店)、『地域情報化 認識と設計』(共編著、NTT出版)、『「知の創造」の進化システム』(東洋経済新報社)。
2019年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 : 2019年5月11日(土)15:00~17:00
場 所 : 関西大学第三学舎(千里山キャンパス)B501(A)教室
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号 (06)6368-1121(大代表)
テーマ: モバイルメディア時代の働き方
発表者: 松下慶太(実践女子大学人間社会学部准教授)
討論者: 伊藤耕太(関西大学総合情報学部非常勤講師/マーケティングディレクター)
司会: 天笠邦一(昭和女子大学人間社会学部准教授)
2016年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 : 2016年9月5日(月)14:30~17:00
場 所 : 関西大学東京センター
〒100-0005東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
TEL.(03)3211-1670(代) FAX.(03)3211-1671
*本研究会は社会情報学会との共催となります。
第一報告 岩手県におけるイングレスを使った地域振興への取り組み(仮)
報告者:大竹 真(いちのせきニューツーリズム協議会/株式会社まるく)
第二報告 位置情報ゲームにおけるセカンドオフライン現象
報告者:木暮 祐一(青森公立大学)
司会:吉田 達(東京経済大学)
概要:本研究会は『ポスト・モバイル社会:セカンドオフラインの時代へ』(富田英典編、世界思想社、2016)、The Post-Mobile Society: From the Smart/Mobile to Second Offline (H. Tomita (ed.), Routledge, 2016)を上梓した。そこでは、リアルな空間にバーチャルな情報が重畳されている状態、人々が日常生活において常にネット上の情報を参照しているような状況、あるいはオンライン情報を常時参照しているオフラインを「セカンドオフライン」と定義し、「セカンドオフライン」が社会の様々なシチュエーションで起きていることを各分野の研究者が論じている。
この「セカンドオフライン」の定義に当てはまる事象の中で、とくに昨今着目しておきたいものが「位置情報ゲーム」の動向である。近年話題になっているのが、Niantic Labs(米国)が提供しているIngressおよびPokémon GOである。Ingressは自治体等による地域振興にも活用され話題になっている。Pokemon GOは、Ingressによって収集されたリアル空間のスポット情報を活用し、さらに幅広いユーザー層がスマートフォン上に展開されるリアルと連動したゲーム空間で遊べるようにした位置情報ゲームである。これらゲームの利活用や社会で起こっている事象について話題提供を行い、議論を深めていきたい。
2016年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時: 2016年6月26日(日)15:45~17:30 (学会大会)
場 所: 東京国際大学 第2キャンパス2013教室
〒350-1198 埼玉県川越市的場2509
報告1: ポストモバイル社会(The Post-Mobile Society)におけるICTを活用した教育
報告者: 上松恵理子(武蔵野学院大学)
報告2: ワークプレイスを巡る場所論
報告者: 松下慶太(実践女子大学)
報告3: ポリリアティ ―社会学的想像力の喚起装置としてのスマートフォン
報告者: 天笠邦一(昭和女子大学)
司 会: 金 暻和(神田外語大学)
2015年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
近未来のモバイルコミュニケーション
日 時: 2016年3月17日(木)14:30~17:00
場 所: 関西大学東京センター
〒100-0005東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
*社会情報学会との共催
報告1: IoTが開く近未来のモバイルコミュニケーション
報告者: D4DR 代表取締役社長 藤元健太郎
報告2: ロボットによる近未来のモバイルコミュニケーション
報告者: 東北大学 准教授 村上祐子
討論者: 武庫川女子大学 教授 藤本憲一
司 会: 武蔵野学院大学 准教授 上松恵理子
2015年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
モバイルコミュニケーションによるラーニングの現状と未来
日 時: 2016年3月3日(木)14:30~17:00
場 所: 関西大学東京センター
〒100-0005東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
*社会情報学会との共催
報告1: 勉強サプリとは何か
報告者: リクルート次世代教育研究院 院長 小宮山利恵子
報告2: ビッグデータとアダプティブラーニング
報告者: リクルート次世代教育研究院 ビッグデータ エバンジェリスト 萩原静厳
報告3: ベンチャーが創る勉強アプリとラーニング
報告者: ファンタムスティック株式会社 代表取締役 ベルトン シェイン (*日本語での報告となります)
討論者: 武蔵野学院大学 准教授 上松恵理子
司 会: 昭和女子大学 専任講師 天笠邦一
2015年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
(学会大会)
日 時 :
2015年6月21日(日)15:15~17:00
場 所 :
青山学院大学 ガウチャー・メモリアル・ホール(15号館) 3階306教室
司 会 :
上松恵理子(武蔵野学院大学)
報告1 :
インスタグラムがファッションの情報流通に与えた影響について
報告者 :
天笠邦一(昭和女子大学)
概 要 :
近年のSNSの普及は、コミュニティのあり方やそれを介して行われる情報流通の形態に大きな変化をもたらした。またコミュニティ内の情報流通を基盤に行われる学校等の制度によらないインフォーマルな学習もあり方もそれと同時に変化しつつある。本報告では、世界第二位の規模を誇る写真加工と共有に特化したSNSであるInstagram内でのコミュニティ・情報流通のあり方とファッションの学習を事例に、その変化を考えたい。
報告2 :
写真撮り実践の変容とSNSの示唆
報告者 :
金 暻和(神田外語大学)
概 要 :
デジタル・カメラ付きのモバイルメディアの大衆的普及によって「写真撮り」というメディア実践の意味は大きく変化している。本研究では、カメラ技術の変容を軸に、日常を記録するというメディア実践のあり方を歴史的にトレースする。「写真を撮る・撮られる」行為の身体的位置づけの変容という観点から、昨今SNSで活発に行われる「自撮りselfie」実践の文化的意味をとらえ直しつつ、「機械化された目」としてのモバイル・カメラのあり方を浮き彫りにする。
報告3 :
ワークプレイス/スタイルとセカンドオフライン
報告者 :
松下慶太(実践女子大学)
概 要 :
モバイルメディア、ソーシャルメディアの普及によりワークプレイス/ワークスタイルは変容している。テレワークやシェアオフィスからノマドワーク、コワーキングスペース、クリエイティブ・オフィスまでこれらワークプレイス/ワークスタイルの変容について海外での調査も交えつつ、特に空間概念を手がかりに検討する。とりわけ、オンラインを前提としたオフライン空間、すなわちセカンドオフラインが現出している「場」としてのワークプレイス、そこでのワークスタイルを考察する。
2014年度第1回モバイルコミュニケーション研究会・
第1回情報文化研究会、合同研究会のお知らせ(モバイル学会共催)
テーマ :
ポストモバイル社会の展望
日 時 :
2014年6月14日(土) 13:00〜17:00
場 所 :
関西大学千里山キャンパス 第3学舎3階D302教室
(〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
司 会 :
篠原 一光 氏(大阪大学大学院 教授)
発表者 :
基調講演:富田 英典氏(関西大学社会学部 教授)
話題提供1:木暮 祐一 氏(青森公立大学 准教授)
話題提供2:伊藤 昌亮 氏(愛知淑徳大学 准教授)
討論社 :
岡田 朋之 氏(関西大学 教授)
赤松 幹之 氏(産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門研究部門長)
概 要 :
これまでケータイに関する社会学的研究の中心テーマは、どのような分野で、誰がどのように利用しているのか、歴史や文化の多様性にもかかわらずモバイル通 信機器が急速に世界中に普及したのはなぜか等であった。しかし、iPhoneの登場を契機にフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が始まり、その 機能は多様化し社会への影響にも変化が生まれ始めている。このような変化に注目した新しいケータイの社会学研究が登場している。これらの研究が注目してい るのは、位置情報サービスやAR技術の利用により、モバイルメディアがリアルな空間にバーチャルな情報を重ねている状態である。近年次々に発表されている グーグルグラスなどのデバイスを利用すれば、このような状況をより簡単に作り出すことができる。リアルな空間に必要なバーチャルな情報が重ねられている状 態とは、人びとが日常生活(リアル/オフライン)において常にネット上の情報(バーチャル/オンライン)を参照しているような状況を意味している。そのよ うな状況をここでは「セカンドオフライン」と呼びたい。「セカンドオフライン」が拡大した社会では、重ねられるオンラインのデジタル情報とフィジカルなオ フライン情報(物体・人物・空間など)との間の関係が今まで以上に重要になる。そこでは、両者が相互に影響を与えあうような状況が発生する可能性もある。 さらに、フィジカル空間にデジタル情報が表示されるだけでなく、フィジカル空間の一部が削除されるような事態が発生する可能性さえある。「セカンドオフラ イン」が常態化した社会は、もはやモバイルメディア社会という範疇を超えた新しいもうひとつの社会なのである。これらの技術が健全に普及するためにも、現 時点で「セカンドオフライン」という状況の特徴、優れた点や問題点を明らかにすることが緊急の課題であろう。
今回はモバイル学会との共催により、富田英典氏に「モバイルARの可能性」と題した基調講演をお願いし、また話題提供者としては木暮祐一氏による「ウェア ラブルデバイスのブレイクは現実のものとなるか?-モバイル端末・サービスの発展普及史から考察する」、伊藤昌亮氏による「モバイルメディアと社会運動― デモの構造変化と空間変容」とそれぞれ題した報告をおこなっていただく。これに2名の討論者によるコメントを加え、合計5名によるパネルディスカッション 形式による総括討論をおこない、当該テーマに関する議論を深めたい。
2013年度 第6回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
ライフログアプリの可能性
日 時 :
2014年3月31日(月)15:00~17:00
場 所 :
関西大学東京センター
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階)
報告者 :
田口 敬(じぶんラボ株式会社)
討論社 :
吉田 達(東京経済大学)
司 会 :
天笠 邦一(昭和女子大学)
概 要 :
近年、スマートフォンの普及により、自らの生活の詳細な記録(=ライフログ)を残すことが容易になりました。こうしたモバイルライフログは、単純に自らに関する記録が増えるだけでなく、自己認識やそれを利用する場所の認識に変化を与える可能性を持つ一方で、個人情報の管理の面などの課題を抱えています。本研究会では、個性的なライフログアプリ「ウンログ」を開発する株式会社じぶんラボ代表の田口敬氏をお招きし、こうしたライフログアプリの可能性と課題についてお話し頂きます。
2013年度 第5回モバイルコミュニケーション研究会
(クローズド 研究会メンバーのみ)
日 時 :
2014年2月15日(土)~16日(日)
場 所 :
関西大学飛鳥文化研究所 (奈良県高市郡明日香村稲淵)
内 容 :
篠原 一光 氏(大阪大学大学院 教授)
発表者 :
1.研究会報告
2.次回研究会についての打合せ
2013年度 第4回モバイルコミュニケーション研究会
(クローズド 研究会メンバーのみ)
日 時 :
2014年2月9日(日)13:00~20:00
場 所 :
博報堂 (東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー)
内 容 :
1.研究成果の書籍出版に向けての打ち合わせ
2.研究会報告
3.次回研究会の打合せ
2013年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
(クローズド 研究会メンバーのみ)
日 時 :
2013年8月30日(金)~9月1日(日)
場 所 :
セミナーハウス クロス・ウェーブ府中(東京都府中市日鋼町1-40)
内 容 :
1.書籍出版に向けての会議
2.研究会報告
3.活動方針と内容についての打合せ
2013年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
(学会大会)
テーマ :
ポストモバイル社会-モバイル/ユビキタスからセカンド・オフライン-
日 時 :
2013年6月23日(日)13:00〜15:00
場 所 :
東洋大学 6号館 6207教室
司 会 :
松田 美佐(中央大学)
報告1 :
「関与シールド(Involvement Shields)」としてのケータイ
報告者 :
藤本 憲一(武庫川女子大学)
概 要 :
ケータイは、実社会ではモノとして、ネット上では情報機器として、オン/オフ切替装置の役割を二重に果たしてきた。ARの日常的埋め込みにより、その機能はいかに変化するか、理論的に展望する。
報告2 :
モバイルARと重畳されたイメージに関する研究
報告者 :
富田 英典(関西大学)
概 要 :
モバイルAR技術によってフィジカルな空間にヴァーチャルな情報が重ねられた時、対象のイメージがどのように変化するかを複数のスクリーを使用した実験から検討する。
報告3 :
スマートフォン時代の情報利活用とプライバシーについて
報告者 :
吉田 達(東京経済大学)
概 要 :
スマートフォンを核とした、情報環境での個人関連情報の利活用とプライバシー保護のバランスについて、ケータイの統合型情報端末としての側面を軸にして通史的に考察する。
司会者 :
松田 美佐(中央大学)
2013年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
(学会大会)
テーマ :
UDC (ユーザー・ディストリビュティド・コンテンツ)とモバイル・メディア
日 時 :
2013年5月15日(水)15:00〜17:00
場 所 :
関西大学東京センター(100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-1サピアタワー9階)
発表者 :
Mikko Villi (東京大学情報学環客員研究員・フィンランド所在アールト大学のメディア経営研究グループ)
討論社 :
小笠原 盛浩(関西大学社会学部 准教授)
司 会 :
金 ヨニ(東京大学情報学環 助教)
概 要 :
ソーシャル・メディアによって代表される参加型オーディエンスの浮上は、メディア産業にこれまで経験したことのない複雑な環境の変化を与えている。ネットワーク化されたメディア環境 (media ecosystem)においては、ユーザーが自分の判断によってコンテンツの価値を決め、自発的に再流通させていく動きが目立つ。この発表では、フィンランドからのモバイル研究者Mikko Villi氏を迎えて、こうしたユーザーの自発的な動きを積極的に活用していこうとする北欧のメディア企業について報告していただく。
インターネット上のユーザーの自発的なコンテンツ制作を示すUGC (ユーザー・ジェネレーティド・コンテンツ)という概念に対して、この発表では、ユーザーが自発的にコンテンツ流通・流布に勤めることを意味するUDC(ユーザー・ディストリビュティド・コンテンツ)という概念を紹介する。とりわけモバイル・メディアの普及やソーシャル・メディアの人気によって、ユーザーたちによつコンテンツの二次的な流通・流布の重要性は大きくなっている。このような動きは、メディア企業にとって大きな挑戦であると同時に、チャンスでもある。 フィンランドの新聞業界へのインタビュー調査を通して、モバイル・メディアとメディア産業の将来と展望について議論したい。
発表者のMikko Villi氏は、現在東京大学情報学環の客員研究員およびフィンランドのアールト大学のビジネス・スクールのポスドグ研究者 である。研究テーマは、モバイル・メディアとビジュアル・コミュニケーションである。1990年代にフィンランドの新聞社で勤務していた 経験を活かし、ソーシャル・メディアによるメディア環境の変化に焦点を与えて研究を進めている。アールト大学のメディア経営研究グループのCo-directorでもある。Interactions: Studies in Communication & Cultureや Visual Studiesなど、多数の学術ジャーナルに論文が掲載されている。
2012年度 第5回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
スマートフォン社会の現状と展望
日 時 :
2013年3月7日(土)13:00〜14:50
場 所 :
発表者 :
吉田達(新潟大学)「スマートフォンにおける個人データの利用と保護」
天笠邦一(慶應義塾大学)「スマートフォンの普及と母親たちの子育て実践の変化」
舛田淳(NHN Japan)「グローバルコミュニケーションアプリ『LINE』の成長と今後の戦略」
コーディネーターおよび司会:
岡田朋之(関西大学総合情報学部)
概 要 :
この約2〜3年のあいだに内外でスマートフォンの普及が急速に進み、これまでの携帯電話の普及を中心として形成されてきたモバイル社会の様相にさまざまな 局面で変化が生じている。この状況を仮に「スマートフォン社会」化の諸現象としてとらえるとすれば、どのような傾向を見いだし、今後のモバイル社会に向け ての視座を得ることができるであろうか。
本セッションでは、まずコーディネーターの岡田から、スマートフォンが今日に至るまでどのようなメディアとしての位置づけを得て普及してきたかを整理した 上で、以下の三名の登壇者それぞれの観点から、現状に至るポイントと今後の課題を抽出して、包括的な討論へと展開していくことをめざす。
まず、吉田達氏(新潟大学)からは、スマートフォンの普及によってユーザー個々人がさまざまな利便性を受けると同時に、負わねばならなくなったリスクの 数々を検証するとともに、サービスを提供する企業側のビジネス面での思惑とトレードオフの関係が生じている点を提示してもらい、これらの点からどのような 可能性と課題を見て取れるかを検討して頂く。天笠邦一氏(慶應義塾大学)からは、地方自治体の子育て支援施設における活動実績や、そこでのヒヤリング等を もとに、いわゆるママ友ネットワークのなかで、スマートフォンやソーシャルメディアがどのように浸透し、また活用されているかの実態を報告して頂く。さら に、スマートフォンの普及にともなって急速に利用者を拡大したサービスを展開しているNHN Japanの舛田淳氏には、これまでの事業展開の経緯と利用者の実態について概要をご紹介頂いた上で、ソーシャルメディアというプラットフォームがスマー トフォンというメディアをベースとすることで、どのような性格を帯びているのか、また今後どのような可能性がそこに見いだされるのかについてのご意見を提 示して頂ければと考えている。
以上のような登壇者からのプレゼンを元に、最終的にはフロアの参加者も交えて、スマートフォンを軸にしたモバイル社会のイメージについて、多面的な意見交換と検討をおこなうことをめざす。
2012年度 第4回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
モバイルメディアとテレビの現在をウチとソトから考える〜ソーシャル視聴の可能性を中心に〜
日 時 :
2012年10月20日(土)14:00〜17:00
場 所 :
関西大学東京センター(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-1サピアタワー9階)
発表者 :
中村 隆志氏(新潟大学人文学部)
小川 浩司氏(NHK放送文化研究所)
司 会 :
岡田 朋之(関西大学総合情報学部)
概 要 :
ケータイとソーシャルメディアが若年層のコミュニケーションにおいて重要な存在になりつつあるなかで、若者のテレビ離れが進んでいるともいわれる。だがそ の一方で、テレビを観ながらケータイなどを介して意見や感想を語り合う新しい視聴の仕方が広がっているという調査結果も出ている。
今回は、モバイルとテレビの今後の関係についてどのような可能性があるかをテレビメディアの内部と外部からそれぞれ照射することを通じて検討してみたい。 テレビの「ウチ」からの観点としては、恋愛ドラマの中でのケータイの描写について、非言語コミュニケーション研究からのアプローチをおこなった中村隆志氏 に、また「ソト」からの観点として、テレビとソーシャルメディアを連動させた新しい視聴の可能性を探るシステム「teleda」による実験に携わった小川 浩司氏に、それぞれ報告をお願いし、それぞれの側面からの考察をふまえて広く討議をおこないたいと考えている。
2012年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
(情報文化研究会共催)
テーマ :
拡大するモバイルARサービスの現状と可能性:地図アプリを用いたモバイルAR技術の成功例「ちずぶらり」(ATR Creative)
日 時 :
9月7日(金)15:00~17:00
場 所 :
関西学院大学大阪梅田キャンパス(1408教室)
大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階
発表者 :
高橋真知氏(株式会社ATR Creative代表取締役社長)
富田英典氏(関西大学社会学部教授)
司 会 :
岡田朋之氏(関西大学総合情報学部教授)
概 要 :
近年、モバイルAR技術が普及し様々な取り組みが生まれている。そこで、今回は、まずモバイルARの現状についての報告を行い、その後に具体的な成功事例をしてATR Creative社の「ちずぶらり」を取り上げる。「ちずぶらり」は、位置情報付きイラスト地図をあらゆる端末アプリに対して配信する世界初のモバイル向けプラットフォームである。ATR Creative社は、京都古地図、大阪パノラマ地図、東京全図、東京電車地図、銅版横浜地図のほかに世界各国の古地図や絵図で街歩きができる「こちずぶらり」や、大阪名物のガイドツアー「大阪あそ歩」や、山歩きが好きな人向けの鳥瞰図が入ったアプリ「ジオアート」など30種類近くのアプリを開発している。身近なAR技術であり、「自治体アプリ・地域アプリ」として地域活性化にも活用されている。以上の点について二名の報告をお願いし、モバイルARの現状と今後の展開について議論する。
2012年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会報告
テーマ :
「視覚的共存の新しい地図学:上海の位置情報サービスとカメラ付き携帯電話の利用を事例に」
日 時 :
7月21日(土) 15:00〜17:00
場 所 :
関西大学東京センター
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-1サピアタワー9階)
発表者 :
ラリッサ・ヒョース(Larissa Hjorth)
(メディア・アーティスト、RMIT大学(Royal Melbourne Institute of Technology University:オーストラリア)メディア&コミュニケーション学部ゲームプログラム准教授)
司 会 :
金 ヨニ(東京大学大学院情報学環助教)
報告要旨 :
携帯電話のカメラ機能の利用の増加、携帯電話の内蔵型の編集アプリや位置情報サービスの普及とともに、日常生活のなかで視覚情報の共有と流通が活発になっ てきている。今回の研究会では、アジア太平洋地域のモバイル文化について調査を行ってきたオーストラリアの研究者、ラリッサ・ヒョース(Larissa Hjorth) 氏をお招きして、モバイル・メディアと地域情報サービス利用拡大の文化的側面について探った。彼女は、近年、中国上海におけるカメラ付き携帯電話と地域情 報サービスの利用現状についてのフィールドワークの結果に基づいて、モバイル・メディアとの関係のなかで社会地理的情報のあり方の変容について報告した。 ユーザーによって共有される視覚情報によって場所についての経験が記憶、記録される方法が変わっていく一方、モバイル・メディアにおける親密性が、旧来型 の電話や携帯電話による触覚的な 感覚から、スマートフォンやソーシャル・メディアによる構成された視覚的な感覚へ変容していく様子について検討を行った。
発表者プロフィール:
ラリッサ・ヒョース(Larissa Hjorth)(メディア・アーティスト、RMIT大学(Royal Melbourne Institute of Technology University:オーストラリア)メディア&コミュニケーション学部ゲームプログラム准教授)。アジア太平洋地域を舞台にジェンダー、モバイル社会、デジタル空間、ゲーミング・コミュニティーをキーワードにエスノグラフィー調査を行っている。主な著書に東京、ソウル、香港、メルボルンのモバイル文化について考察したMobile Media in the Asia-Pacific (London: Routledge, 2009) とGames & Gaming (London: Berg, 2010)などの単著の他、モバイル文化に関する複数の論集に共編著者として関わっている。
2012年度第1回モバイルコミュニケーション研究会
テーマと発表者:
(1)ハイブリッドネットワークの結節点としての場所メディア―子育て期の両親のメディア利用に関する一考察―
天笠朋一(慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
(2)日本におけるデジタル教科書導入プロセスの検討―日韓比較を通して―
上松恵理子(新潟大学大学院博士研究員)
(3)セカンド・オフライン―モバイルARと新しい移動感覚に関する研究―
富田英典(関西大学社会学部教授)
日 時 :
2012年6月24日(日)
場 所 :
国際教養大学 D棟203教室
概 要 :
モバイルメディアが現代社会に与える影響に関して、家庭・地域、学校、都市空間の3つの領域について議論する。第一報告(家庭・地域)では、子育て実践を 円滑に行うため構築されている様々な人的ネットワークが、地域内で共存し、さらに地域の情報流通を円滑にするために、メディアをどのように利用しているか を報告する。第二報告(学校)では、デジタル教科書導入プロセスについて報告する。日本では実践例は多くないが、韓国ではスマート教育戦略が政府主導で行 われ、サイバー家庭教育などの格差是正の取り組みや教員研修が充実しており、アメリカはOCWやオープンラーニングによるICT教育普及が進み、STEM 教育のコンセプトによる州ごとの取り組みがなされている。日韓米の比較を通してこの問題を検討する。第三報告(都市空間)では、モバイルAR技術の登場に より、都市空間における移動感覚がどのように変容しようとしているのかについて報告する。ここでは、現実空間にバーチャル情報を重ね合わせる具体的な事例 を取り上げながら、「セカンド・オフライン」という概念を提起する。
2011年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
ソーシャルメディアとモバイル
日 時 :
2012年3月7日(水)15:00~17:00
場 所 :
関西大学東京センター
(〒100-0005東京都千代田区丸の内1―7―1サピアタワー9階)
報告者 :
高広 伯彦 氏( 株式会社スケダチ代表取締役社長/コミュニケーションプランナー)
討論者 :
松下 慶太 氏(実践女子大学社会学部専任講師)
司 会 :
岡田 朋之 氏(関西大学総合情報学部教授)
報告要旨:
最近ソーシャル・メディアの社会的役割について注目が集まっている。今回の研究会では、広告コンサルタントとして活躍している高弘伯彦氏(スケダチ代表取 締役)と大学生たちを中心に広まっている「ソー活」、すなわちソーシャル・メディアを使った就活活動について研究している松下慶太氏(実践女子大学社会学 部選任講師)を迎え、ソーシャル・メディアの社会的活用の可能性と課題について検討を行った。
ソーシャル・メディアによって社会的コミュニケーションが活発になり、ソーシャル・ネットワークが強化するという言説がある一方、そのなかで生まれる社 会的価値という観点からすれば、コンテンツとコンテンツが繋がることで捉えることもできる。そうした文脈でモバイル端末は、単なるコミュニケーションのた めの道具ではなく、コンテンツ制作のデバイス、表現するためのツールとしての機能も果たすこととなる。そうした状況を踏まえたうえ、個人のアイデンティ ティ形成の問題や表現のためのモチベーション形成の問題、地域社会のなかにおける活用など、様々な可能性と課題について議論した。とくにソーシャル・メ ディアでの表現活動が広がるにつれて、個人のバーチャルなアイデンティティやモチベーションに関わる要素として、いゆる「ハイパー・ミー」という概念につ いて意見が活発に交わされた。
講師紹介:
高広伯彦氏。同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。修士論文「38年目のマルチメディア~ポケベルのメディアコミュニケーション論」で第12回テレコ ム社会科学学生賞を受賞。のちに『ポケベル・ケータイ主義!』(ジャストシステム;共著)でも第13回テレコム社会科学賞奨励賞を受賞。1996年博報堂 入社。その後、博報堂DYメディアパートナーズ、電通で主にインタラクティブ・マーケティング領域のビジネス開発や広告主のキャンペーンに携わる。 2005年にグーグル日本法人に入社し、新しい広告のインフラづくりに取り組む。2009年1月に独立し、「スケダチ 高広伯彦事務所」として活動。日産自動車WebCINEMAで東京インタラクティブ・アドアワード・グランプリを受賞。他、ロンドン国際デザイン広告賞な どを受賞。
2011年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
テーマ :
モバイルジャーナリズムの可能性と課題
日 時 :
2011年8月10日(水)14:00~17:00
場 所 :
関西大学天六キャンパス 209教室 (大阪市北区長柄1-3-22)
報告者 :
脇浜 紀子 氏(よみうりテレビ放送編成局アナウンス部)
討論者 :
坂田 謙司 氏(立命館大学産業社会学部教授)
司 会 :
岡田 朋之 氏(関西大学総合情報学部教授)
概 要 :
twitterやustreamなどを用いた手軽な情報配信が可能になり、モバイルデバイスを活用した新たなジャーナリズムが開かれつつある。テレビ局の現場で災害報道等での取材にも携わった経験を持つ報告者から、そうしたあらたな報道の可能性と、送り手側の組織や制度面や技術面の制約に関する課題について明らかにしてもらい、モバイルジャーナリズムの具体的な方向性について探っていきたい。
2011年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
7月3日(日) 13:00~14:30
場 所 :
専修大学生田キャンパス10号館10315教室
司 会 :
藤本憲一 氏(武庫川女子大学)
テーマ1 :
ケータイの小さな物語り:ケータイ・ストーリテリングの内側
報告者1 :
金暻和 氏(東京大学大学院)
概 要1 :
ケータイの普及による社会文化的変容は様々なところで著しい。とくに個々人の日常のなかでのケータイのあり方は、技術によって提案された機能や効率性だけでは語りきれないダイナミズムに富んでいる。本報告では、コミュニケーション手段としてのケータイについての様々な議論がなされてきているのに対して、個人にとって特別な意味を持つモノという側面からケータイのあり方を探り、主体の日常性という枠組みからケータイを論じようとする試みを紹介する。報告者はケータイの文化的ダイナミズムを浮き彫りにさせるため、ストーリテリング(Storytelling)手法を用いたワークショップを実施してきた。本報告では、こうした実践的な調査活動を通して、日本、中国、フィリピンなど複数の地域の人々によって語られたケータイの物語りを紹介、分析する。モノとしてのケータイのあり方を明かすことによって、ケータイのもつ文化的な側面を浮き彫りにしたい。
テーマ2 :
ソーシャルメディアのAR的利用:位置情報利用サービスの拡大と利用者側のふるまいについて
報告者2 :
吉田 達 氏(新潟大学)
概 要2 :
ソーシャルメディアにおけるジオタグ利用は、従来、写真などへのタグ付けやチェックイン系サービスとミニブログとのマッシュアップといった限定的、付加的 な利用が主だった。場所へのタグ付け(セカイカメラなど)やARクーポン(iButterflyなど)といったジオタグを活用したサービスも含め、これら のサービスは総じてその場所へ行ったついでに使われるもので、サービスの利用自体が実際の場所へ行く強い動機になることは稀だった。しかし、今年に入っ て、位置ゲーやチェックイン系の各社が実店舗とのクーポン連携に取り組むなど、ネット上のサービス利用を現実空間での移動へ結びつける試みが活性化してい る。また、Twitter社がつぶやきへのジオタグ付与を奨励するなど、ネットでの発信情報をリアル空間と結びつける動きも高まっている。本報告では、こ うしたオーグメント的なネット利用の展開について、個人の自己情報管理の側面を中心に検討してゆきたい。
テーマ3 :
モバイルAR社会における時間と空間:ARフィギュアとリアルタイムARをめぐって
報告者3 :
富田 英典 氏(関西大学)
概 要3 :
本研究はAR(Augmented Reality)技術と携帯電話のコラボレーションが社会に与える影響について研究するものである。本学会大会において継続して研究成果を報告してきた が、今回は「バーチャルペット」「等身大のバーチャル・アイドル」に対する被験者のイメージなどの分析について報告し、さらにモバイルARが都市空間にど のような時間感覚と空間感覚を生み出しているのか、現代人の移動感覚をどのように変容させようとしているのかについて分析するための枠組みについて報告し たい。
※科学研究費補助金研究(基盤研究(C))「AR技術と携帯電話のコラボレーションが社会に与える影響に関する社会学的研究」(2008-2010年度)(課題番号:20530499)及び、日産財団研究助成社会学分野(公募)「モバイルARと新しい移動感覚」(2011年度)の研究成果の一部である。
2010年度 第4回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
12月4日(土) 18:00~20:00
場 所 :
新潟大学駅南キャンパス 「ときめいと」講義室A
新潟市中央区笹口1丁目1番地(PLAKA1・2階)
テーマ :
モバイル・メディア教育の課題
司 会 :
岡田 朋之 氏(関西大学総合情報学部教授)
報告者 :
上松 恵理子 氏(新潟大学教育学部非常勤講師・博士研究員)
討論者 :
松下 慶太 氏(実践女子大学人間社会学部専任講師)
概 要 :
デジタル教科書全導入に向けた動きが日本で始まった。文部科学省は2020年度までに,タブレット端末を一人一台活用できる環境を実現することを公表し た。これは,総務省のビジョンと近いものとなっている。今後は,モバイル機能やテキスト特性に沿った新リテラシーが重要となってくる。しかし,教育現場で は,子どもとケータイの関係が未だ取り沙汰され,授業実践は蛸壷化し,情報が共有されていない。
一方,韓国はDMBやIPTV等のブロードバンド環境,モバイルインターネットが普及し整備されている背景もあり,来年度はデジタル教科書が義務化される。そこで韓国との比較を通し,日本のモバイル・メディア教育の現状とその課題を検討する。
2010年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
8月30日(月) 14:30~17:30
場 所 :
関西大学心斎橋オフィス (地下鉄御堂筋線「心斎橋」駅下車、南西へ徒歩3分。)
テーマ :
USTREAM 中継がコミュニティに与える影響を探る──Twitter ログの分析を通じて
司 会 :
松田美佐 氏(中央大学)
報告者 :
白水 菜々重 氏(関西大学総合情報学部(4年次生))
松下 光範 氏(関西大学総合情報学部)
討論者 :
吉田達 氏(新潟大学)
概 要 :
近年、USTREAM 等の簡便な映像配信サービスの登場により、学術会議や展示会等のイベントにWEBを介して参加できるようになっている。閲覧者は単にイベントの様子を知る ことができるだけでなく、Twitterを介して現地にいる人と情報や意見の交換を行うこともできるため、バーチャルな参加者となりうる。本研究では、こ のような新しい形態の会議参加がコミュニティにどのように影響を与えるかについて、Twitterログの分析を通じて考察する。
2010年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
6月27日(日) 10:15~11:45
場 所 :
早稲田大学国際会議場3階
司 会 :
藤本憲一 氏(武庫川女子大学)
テーマ1 :
「ジオタギングを巡るモバイルコミュニケーションの現状~Twitter, foursquare,そしてAR~」
報告者1 :
吉田 達 氏(新潟大学)
概 要1 :
近年、ケータイやiPhoneといったモバイル端末で高精度の位置情報を手軽に扱えるようになったことを受けて、Twitter などを通じたカジュアルな情報発信やライフロギングといった情報行動において、モバイルコミュニケーションがより積極的に活用されるようになってきた。 サービス事業者も、昨年頃からジオタギング連携サービスを積極的に展開しつつある。本報告では、モバイル端末の位置情報機能の概要を整理した上で、ジオタ ギングについて、Twitter や foursquare(4sq)などでのサービス利用を具体例として検討し、ユーザの意識などとあわせて、モバイルコミュニケーションにおける位置情報利 用についての現状とこれからを考察してゆく。
テーマ2 :
「ケータイ利用とコミュニティ形成の世代(ライフステージ)間比較--テーンエイジャーとママ世代にみる類似性と差異」
報告者2 :
天笠 邦一 氏(慶應義塾大学)
概 要2 :
ケータイをはじめとするモバイルメディアの普及は、日常生活におけるコミュニティ形成・維持のアプローチに変化をもたらした。しかし、その変化は一様でな く、それぞれの集団が持つ文化や場などに適応する形で受け入れられてきた。ここでは、このケータイを用いたコミュニティ実践の集団による差異に着目し、そ の実態を報告したい。本報告で特に注目するのが、ともにケータイのヘビーユーザでありながら、都市空間での場の構築に大きな違いがみられる「ティーンエイ ジャー」と「子育て中のママ世代」の実践の差異である。彼らの戦略的なケータイの利用と、独特な都市空間における場・社会関係の構築のあり方について、そ の関係を描き出したい。
テーマ3 :
「モバイルARの社会的影響について-Adriana de Souza e SilivaのHybrid Realityをめぐって-」
報告者3 :
富田 英典 氏(関西大学)
概 要3 :
ケータイの普及は現代人の社会生活に大きな影響を与えてきた。特に最近はiPnoneの登場などによってモバイルARに関心が集まり、同時にAR(拡張現 実感)やMR(複合現実感)に関する新しい見解も登場している。そこで、本報告ではミルグラムのMRを批判的に継承しているA. S. Siliva のHybrid Reality概念、T. NilsenらのARゲームに関する研究など取り上げ、その内容を紹介し問題点を検討する。次に、近年のモバイルAR実験の実施例を紹介し、ARゲームが 空間イメージにどのような影響を与えているかに関する調査研究結果の一部(中間報告)を報告する。なお本報告は平成20―22年度科学研究費補助金研究 「AR技術と携帯電話のコラボレーションが社会に与える影響に関する社会学的研究」(課題番号20530499)の研究成果の一部である。
2010年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
5月20日(木)14:30~16:30
場 所 :
テーマ :
ケータイの未来を探る:ワークショップを用いたケータイ研究の試み
司 会 :
岡田 朋之 氏(関西大学)
報告者 :
新井田 統(KDDI研究所)
金 ヨニ(東京大学大学院)
概 要 :
未来のモバイル・メディア社会のあるべき姿を描くためには、ケータイの技術的な枠組みにとどまらず、ユーザーによって多様に展開されていく社会的、文化的あり方を探る必要がある。今回の研究会では、KDDI研究所と東京大学情報学環が共同で進めている「テレコミュニケーションの文化とリテラシーに関する質的、デザイン論的研究」の成果について報告を行い、文理融合型の最新研究動向を紹介した。報告者として新井田統氏(KDDI研究所)、金ヨニ氏(東京大学学際情報学府)を迎えた。新井田氏は、ケータイ専門家とユーザーがいっしょにケータイをデザインするワークショップを行いながら、モバイル技術の未来像を描き出す研究について報告した。金ヨニ氏は、パフォーマンス・エスノグラフィーという文化人類学的研究法を用いたワークショップについて報告を行った。
会場からは分離融合型ケータイ研究についての質問があり、ケータイの未来をさぐる研究方法論についての議論となった。特に一般ユーザーが交わったワークショップ手法についての意見交換が活発に行われた。モバイル技術の専門家だけでなく、文化人類学など異なる分野の研究者と協力することによって知見をさらに広げられる。とりわけ青少年のケータイ利用やケータイの社会的影響をめぐって様々な言説が広まってる状況のなか、一般ユーザーとの回路を重視する実践的な必要性が更に浮上しているという議論も行われた。
2009年度 第3回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
2009年8月10日(月)14:00-17:00
場 所 :
関西大学 東京センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
TEL.(03)3211-1670(代) FAX.(03)3211-1671)
テーマと発表者:
第一報告
「NTTドコモのエージェントサービス「i コンシェル」を活用した顧客囲い込みと販売促進事例」
前田義晃氏(NTTドコモ コンシューマサービス部 ネットサービス企画担当部長)
第二報告
「少子化時代のモバイルコミュニケーションの可能性――子育てサポートネットワークの構築・維持におけるケータイの役割と効果――」
天笠邦一氏(慶應義塾大学大学院、政策・メディア研究科)
司 会 :
富田 英典(関西大学社会学部教授)
主 旨 :
近年、携帯電話の新しいサービスが次々に登場している。その中のひとつが携帯電話のコンシェルジュ化であり、携帯電話が秘書や執事、コンシェルジェになる サービスとして注目を集めている。それは、ユーザーの趣味趣向に合わせた情報を携帯電話に自動的に配信・更新してくれるサービスである。契約者も順調に拡 大しているという。そこで、第一報告として、NTTドコモ コンシューマサービス部ネットサービス企画担当部長の前田義晃氏を迎えて、同社の携帯電話向け サービス「iコンシェル」について、サービスの概要と今後の展開についてご報告をお願いする。
コンシェルジュ化は携帯電話による生活行動支援であるが、携帯電話の普及は子育てを取り巻く社会的な環境を一変させた。特に、子育てや家事を行いながら、 相手の状況にも気を遣わず連絡を取り合うことが出来るケータイメールやモバイルSNSは、子育て中の母親たちに広く受け入れられ、子育てにおけるコミュニ ケーション環境に革命をもたらしたといえる。そこで、第二報告では、天笠邦一(慶應義塾大学大学院、政策・メディア研究科)に、神奈川県藤沢市で未就学児 を持つ親を対象に行った量的・質的調査からケータイ利用によって子育てという社会的実践に起こった変化について報告をお願いする。
2009年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
2009年6月28(日)14:45-15:45
場 所 :
桜美林大学 明々館A308
テーマ :
「モバイルメディアとAR技術とのコラボレーションの動向について」
発表者 :
富田 英典 氏(関西大学社会学部教授)
討論者 :
松下 慶太 氏(実践女子大学社会学部専任講師)
司 会 :
岡田 朋之 氏(関西大学社会学部教授)
2009年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
2009年4月25(土)14:00-16:00
場 所 :
テーマ :
「進化するワンセグ」
発表者 :
長井展光氏(MBS毎日放送 )
討論者 :
富田英典氏(関西大学社会学部教授)
司 会 :
黒田 勇氏(関西大学社会学部教授)
概 要 :
ワンセグは2006年4月のサービス開始以来、3年がたった。今では新規発売の携帯電話のかなりの機種に搭載されるようになり普及が進んでいる。制度的に は08年4月からワンセグ独自編成が可能になり、従来の固定向け放送とのサイマルと異なる番組を作る試みがなされ始めている。また通信との連携サービスも 徐々に進みつつある。一方、限られたエリア、イベントなどでの新しいメディアとしてエリア限定ワンセグの実証実験も各地で行われ、放送事業者ではない新た なプレイヤーも現れようとしている。またアナログ放送終了後の周波数帯の利用では、ワンセグの進化形とも言える携帯向けマルチメディア放送実現に向けての 動きが急になっている。本研究会では、まず、放送業界の立場から、長井展光氏に、これらの動きを整理概観してもらい、さらに新たなコミュニケーション手 段、ビジネスツールとしての可能性を探ってもらった。その上でメディア文化論の立場から富田英典氏が討論に加わり、今後の産業的、文化的、社会的課題を検 討した。
共 催 :
日本マスコミュニケーション学会マルチメディア研究会
2008年度 第2回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
2009年1月29日(木)14:00~17:00
場 所 :
テーマ :
「ケータイと子ども──学校教育の場から考える」
報告者 :
横山一郎氏(兵庫県教育委員会義務教育課・主任指導主事兼中学校教育係長)
岡田朋之氏(関西大学総合情報学部教授)
司 会 :
富田 英典 氏(関西大学社会学部教授)
報告主旨:
先頃、大阪府下の公立小・中学校で児童・生徒による携帯電話の持ち込みを禁止する方針が打ち出されたのをはじめとして、各自治体等で携帯電話の持ち 込みや使用を規制する動きが進んでいる。
そこで、本研究会では、学校教育における情報メディアの取り扱いに関する分野で積極的な取り組みをしている兵庫県教育委員会から担当者を招き、同教委の 「インターネット社会におけるいじめ問題研究会」が昨年実施したネット いじめや誹謗中傷についての調査結果、ならびにネットいじめ等の事例報告を 踏まえた学校での施策、また今年から開設されたネットいじめ相談窓口の実績などについて報告をお願いする。そして、同研究会で副委員長を務めた関西大 学総合情報学部の岡田朋之氏からは、これらの調査結果についての分析をもとに、学校の果たすべき役割などについて報告をお願いし、情報教育の一環から どのようにネットやケータイの問題を位置づけているのか等についてフロアを 交えて討論を行う。
2008年度 第1回モバイルコミュニケーション研究会
日 時 :
2008年9月9日(火)13:30~16:00
場 所 :
関西大学東京センター(100-0005東京都千代田区丸の内1―7―1サピアタワー9階)
テーマ :
「フィンランドにおけるモバイルコミュニケーション事情」
報告者 :
松下慶太氏(実線女子大学人間社会学部専任講師)
テーマ :
報告者 :
原田由佳氏(NTTドコモコンシューマサービス部担当部長)